田舎
カンパーニュというパンの名前は、「田舎パン」と訳されることが多いです。
その昔、パンは郊外(田舎)に住まう人々が作り、都会で暮らす人に売りに来ていた事に由来すると言われています。
なんとなく、都会の人は白パンを食べていたからなのではないかと思いがちですが、そういうことでもないようですね。
実際には、身分の高い人や、経済力のある人は、精白した小麦だけで作る白いパンを食べていたと思われます。日本でも、そういう人々が「銀シャリ」とも呼ばれる精白した白いコメを食べ、下々は玄米もしくは雑穀などを食べていたのと一緒、いつの世も贅沢品は一部特権階級だけに許されたものだったのです。
が…白米よりも玄米の方が微量栄養素が多いように、やはり全粒粉やライ麦粉を使用することが多いカンパーニュの方が白いパンよりも栄養価が高く、現代よりもずっとずっと多かった病気の対策にはなったのではないでしょうか。
食事と寿命や、生存率との関わり合いを、その時代に調べた人がいたならば、興味深いデータが残っていたのかもしれません。
現代でも、健康ブームから雑穀入りの主食というものが見直されています。
とは言っても…まだまだ消費量的には白米や白いパンの方が圧倒的に多いのが現状。お米では、玄米を手軽に炊けるようにするなどの工夫がされていますが、パンでカンパーニュなどの白くないパンの普及を進めるにはどうしたらよいのでしょうか。
食べ方を知っていただくワークショップを地道に開催していく、レシピカードを作ってみる…そんなところになるのでしょうか。
少しずつ始めていけたらいいなと思っています。
*写真は長野の「Local bench」の信濃ミッシュ(カンパーニュ)です。