栄養
「栄養学」について語ることの多い今日この頃…今週月曜日が「チキンラーメン発売日」だったことに気付き、それとともに第二次世界大戦の終戦で敗戦国となった日本において、国民の栄養状態の極端に悪かった時期に思いを馳せました。
現日清食品の創始者である安藤百福(あんどう・ももふく)氏がチキンラーメンを発明し、発売されたのが1958年。終戦から8年後のことです。
発想の原点は「闇市の屋台」であったとか…美味しそうにラーメンをすする人々の姿を見て、日本人の大好きな麺で日本人をお腹いっぱいにさせたいと願ったのでしょう。
ラーメン研究の大家が若くしてお亡くなりになったことからもお分かりになるように、ラーメンは「栄養バランス」的には優れたものではないのかもしれません。でも当時の人々にとって、最も重要であった「カロリー」を供給する手段としては逆に最適とも言えたのかもしれません。
そして、そのラーメンを手軽に、早く提供できるのが即席ラーメンすなわち「チキンラーメン」だったのです。
丁度同じころ、現代人の求める「栄養バランス」も兼ね備えた方法で人々のお腹を満たそうと努力した香川夫婦が、この「麺屋 ごとう」の近くに女子栄養大学附属の調理師学校を開校しています。
彼らが目指したものは、「栄養バランス」。社会情勢や、意識の浸透などを考えたら一石二鳥で実現するものではありませんが、それでも今始めなければ、という想いだったのでしょう。
60年の月日が流れ、日本経済は現時点では不景気と言われつつも当時から考えれば飛躍的な成長を遂げています。その中で「チキンラーメン」はもっと手軽に食べられる「カップヌードル」へと進化し、そして2007年には宇宙で食べられるラーメンが誕生しました。調理師学校は栄養大学と合併し、世にたくさんの卒業生たちを送り出し、健康ブームの中で栄養に対する人々の意識も変わっています。
先人たちの努力があったからこそ、今この豊かな食文化を享受できていることに、感謝。