桜
日本人が愛してやまないもののひとつ、桜。
桜が咲くと、その木の下で宴会をするのが習わしのようになっていますが、それはもともと神事であったというのは御存じでしょうか。
桜の木は、一年に一度「サ」(=大和言葉で「稲の神」)が「クラ」(=大和言葉で「腰かける」)することからその名が付いたとされる木。桜の花が咲くということは、稲の神様がその木に座りに降りてきているということ。
桜の花が長く美しく咲いた年は豊作と信じられていたため、少しでも長く稲の神にそこに居ていただこうと神様のお食事であるお酒(「サ」+「ケ」、「ケ」は大和言葉で「食事」)をお出ししました。
そのお下がりをいただいて、桜の木の下で稲の神、神事を司るもの、神を信仰するものとが一緒に酒を飲んだのが今のお花見の始まりです。
次第に宴会色が濃くなり、「醍醐の花見」が行われた安土桃山時代にはそんな風潮も強まっていたのかもしれません。いまはお酒を飲むという行為だけが継承されているような形になっているような気がしなくもありません。
でも、その開花を待ちわび、長く美しく咲き続けて欲しいと願う気持ちは同じ。
今年は雪が降ったり、雨風が激しかったりしましたが…来年はもっと長く楽しみたいものですね。
*写真は牛久の「シャトーカミヤ」の庭でのワンショットです。