均衡
主要な客層である近隣の住民の方々が求めるようなパンを焼くパン屋さんは「要望型」、まだ人々が食べ慣れていないようなパンを焼いているパン屋さんを「提案型」などと呼ぶときがあります。
求められたものを売れば、売れる。食べ慣れていないから、売れない。なんとなく、後者は売れ行きが悪いのではと思われるかもしれませんが、意外にそうばかりではなかったりします。時間の経過と共に、食べ慣れて繁盛店になるケースなどもあります。逆に求められたものを売っている場合には、人々の要望を常に敏感にキャッチしていかないと、始めは良くても次第に売れなくなったりもしてしまうのです。
京都に本店を持ち、いまは東京にも支店を出している「Petit Mec」も最初は全く売れなかったけれど…というパン屋さんのひとつです。こだわりを持って、それを貫いているうちに個性として認められるようになったのです。
個人のパン屋さんには「提案型」が多いのかもしれません。牛久の「石窯パン工房 Mon stellata(モンステラータ)」も多分その一軒、真ん中には柔らかいパンや甘いパン、食パンなどが並びますが、奥に提案型のハード系が並んでいます。
割合にして3割程度…ちょっと冒険色が強いかもしれませんが、頑張って欲しいですね。
売れ行きの良い、中規模の人気パン店は、その両方の性質を併せ持っていると言われます。パン好きさんの多くはそうしたお店は早い段階で卒業してしまうのかもしれませんが…実は「中規模の人気パン店」は現在と近未来の流行をチェックしに行くには最適だったり、そうでなかったり
どっちなのよ、と思ったアナタ。パンを食べ始めた頃に気になっていたあの繁盛店に今一度行ってみたら、新たな発見があるかもしれませんよ