弁天
七福神の唯一の女神、弁財天(弁才天)。
人の穢(けが)れを払い、富貴・名誉・福寿・食物と勇気、愛嬌縁結びの徳、それに子孫を恵む神であるといわれ、一方、学問と技芸(音楽など)の神、雄弁と知恵の保護神であるともわれ、結構尽くめで非常に有り難い神として信仰されています。地域によっては宇賀神(うがのかみ・うがじん、穀物の神が転じて福の神)の夫婦神として信仰されていたりもします。
仏神のおひとりですが、もともとはヒンドゥー教の神様サラスヴァディ(Sarasvati、漢字では薩羅薩伐底)という古代インドにおける川の神(女神)という説があります。
3大主神のブラフマン神(梵天)の娘にして配偶神、サラスは水を、バティーは持つもの(富むもの)を意味しています。インド5大河地域の河川を神格化したもので、一説にはインダス川の神格化、もしくは川のみならず河や池・湖などを含めて水を神格化したものともいわれたりもします。インドでは水神、農業神として崇拝されています。
サラスヴァティは言葉の女神ヴァーチュと同一視されており、創造神ブラフマンが実際に世界を創造する時にヴァーチュに言葉を語らせ、その語ったものが創造されたとしています。
妙音天・妙音楽天・美音天と訳され、大弁才天・大弁才功徳天・大弁才天女などとも称えられました。それを略して、弁天・弁天様と言うようになり、現在では弁才天(弁財天)という名称で親しまれています。
日本では琵琶を抱えた立ち姿が一般的ですが、インドでは蓮の葉の上に乗り、白鳥あるいは孔雀を従えて弦楽器のヴィーナを持っています。ただし、インドの弁天様ことサラスバティーは4臂(腕)であり、左右一対の臂で、ヴィーナを持ち、他の2臂は、経典や数珠、蓮華などを持っているこ姿の場合が多いのだとか…神様も様変わりするのですね。
さらに起源をたどると的にはゾロアスター教の水の女神アナーヒターと同根説もあり、アナーヒターはメソポタミアのイシュタル、そしてギリシャのアフロディーテ(ヴィーナス)にもつながるとか、そうでないとか…。
この仏神は、人に対して、無碍(むげ)弁財を授け福知与え、延寿及び財宝を与えるように図り、また天災地変を除滅し、かつ戦傷をもたらす天部の仏の神として崇拝された女神で、古くから貴賎を問わず信仰されてきました。吉祥天と同一視されたりするようになったのは、インドの神から、仏教の神として採り入れられてからのことのようです。
で、何で「七福 弁天庵」と名付けたのかなぁ…食物絡みでしょうか??