心の声が聴こえない感覚
ボクたちは他人と会話する以上に、もっと多くの言葉を自分の心で発している。目が覚めてから眠るまで、何かを選択したり、予定を考えたり、映画を観たり本を読んで何かを感じたり、街の風景や他人の行動を見て心の中で声を発する。
日常の活動中にガイドを会話する時もボクは心の声を使っているし、直感やメッセージが降りてくる時も心の声として捉えている。本を読むときは心で声に出していることが多いし、こうして文章を書いているときも同時に心の声が音読している。
これが当たり前だと思っていたけれど、一定の割合で心の声が聴こえない人がいるらしい。
最新の研究によると、人口の5〜10%の人は内なる声を持たない「無内言症(anendophasia)」という状態であることが明らかになっているとのこと。少ないように思うけれど、10人に1人くらいだから意外と多い。
内なる声は前頭前野と側頭葉の特定の領域で生成されることが仮説として出されている。だから無内言症の人はその領域がうまく機能していないと見られているそう。
この無内言症の場合、外国語を習得することが難しい。外国語を学び始めて日常的に使えるようになるまでは、心の声で母国語との変換をやっているかららしい。なるほどね。
リンク先の記事で例示されていた実験がわかりやすい。いくつかのイラストが描かれていて、その中に「ふくろう」と「ふくろ」のイラストがある。同じ韻を踏むイラストを見つけでくださいという問いに対して、多くの人はフクロウと袋のイラストを選ぶ。
でも無内言症の人はそれを選ぶのが難しいそう。心の中で音声を発して比較することができないからだろう。これはその人でないとわからない感覚だろうなぁ。
無内言症の人はどのような感覚で本を読むのだろう? 音読しないと理解できないのか、それとも視覚で文字の意味をとらえるのかな。小説を読んで何かを感じても、その感想を心でやり取りできない。
無内言症の人は感じたことを説明するのに、絵を描くことが多いとのこと。もしかしたら画家や漫画家の人には無内言症の人が多いのだろうか。
人間って本当に不思議。心の声が強すぎで他人だと思ってしまうと、統合失調症と診断されてしまう。かといって心の声が聴こえないと無内言症ということになる。全てのことに言えるけれど、適切なバランスをとるのは難しいことだよね。
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