怪しげな世界は魅力的
何となく以前から気になっていたミュージシャンがいた。オーロラというノルウェーの女性シンガーソングライター。金髪のおかっぱ姿で、どことなく怪しくて不思議な雰囲気を持っている。もし『メン・イン・ブラック』の最新版映画があれば、宇宙人認定されそうな風貌。
たまたまTikTokで動画を目にすることがあって、不思議ちゃん満載の雰囲気に独特な魅力を感じた。それでちょうど1年前にリリースされた彼女のアルバムを聴いてみた。これまた不思議な雰囲気の曲ばかりで、ある意味完璧な『売り』を持っているアーティストだと思った。
何度かアルバムを聴いていると、その不思議な世界観に引き込まれていく。今月の半ばに来日していたそうで、日本人向けのアルバムもリリースされていた。怪しげな雰囲気は魅力的でもある。しばらく彼女のアルバムを聴き込んでみようと思う。
ということでその不思議ちゃんをリンクしておこう。『Cure Foe Me』というタイトルのシングル曲。ミュージックビデオを見てもらえば、ボクの言っていることがわかってもらえると思う。
さて、同じく怪しげな世界を題材にした小説を読んだ。これまた魅力的な物語だった。
2023年 読書#23
『妖怪の子預かります』廣島玲子 著という小説。タイトルでわかるように妖怪が登場する時代小説。このパターンでボクの好きな物語に『しゃばけ』シリーズがある。このブログでも最新作までの感想を紹介している。
この物語は弥助という12歳の少年が主人公。幼いころに記憶をなくして山中でさまよっているとき、千弥という名の男に助けられた。千弥は視力を失って按摩を仕事にしている。弥助は養い親の千弥を慕っていて、彼以外の人間とほどんと口をきこうとしなかった。
そんなある日、ある大旦那の按摩に千弥と屋敷に行った弥助。そのとき前夜の悪夢に腹が立って、見つけた石に八つ当たりをした。その綺麗な石は二つに割れてしまった。その日の夜、弥助に不思議なことが起きる。
妖怪奉行所の使いの天狗がやってきて、弥助を拘束した。そして裁判を受けさせた。罪状はうぶめ石を破壊したというもの。その石は、妖怪の子守りを請け負っていたうぶめの住み家だった。それゆえうぶめが逃げてしまい、妖怪の子守りをしてくれるものがいない。
そこで弥助は罪滅ぼしとして、妖怪の子を預かるという仕事をさせられる。もし抵抗すれば、即座に死んでしまう刻印をつけられた。それで次々に妖怪が現れ、自分の子供を預けるという物語。梅干しの妖怪がいたり、鳥の妖怪がいたりと面白い。
そして人間には口をきけなかった弥助は、妖怪たちとは普通に話すことができた。何度も失敗するが、やがて妖怪の子の預かり屋として認めらていく。そしてラスト近くで弥助の記憶が戻る。
弥助と母は、恐ろしい人食い妖怪に襲われた。それで母親は自分を犠牲にして息子を助けた。そのときに見つけてくれたのが千弥だったが、実は彼も名のある妖怪だった。だけど乱暴が過ぎて、目を妖怪奉行所に取り上げられていた。そして人間界に追放されていた。そのときに弥助を見つけて二人で暮らすことになったというわけ。
これは10作品ほどの続編がすでに出版されている。こんな不思議な世界が大好きなので、続編を読んでみようと思っている。やっぱり怪しげな世界は魅力的だなぁ。
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