呪い勝負の結末に戦慄
今日で2021年も半分が終わる。昨年に引き続き、今年もコロナに振り回される1年になりそう。
せめて残りの半年を少しでも明るい気持ちで過ごせるよう、夏越の祓をやってきた。
買い物に出るたびにミューナの健康祈願をしている六甲八幡神社の茅の輪。今日は自宅にいる日なので、1日早いけれど昨日のうちにお参りしてきた。例年なら今日の30日にしか用意していないんだけれど、コロナによる混雑を避けるために昨日のうちに用意してくださったんだろう。おかげでゆっくりとお参りできた。
今日で半期が終わるので、今年の映画と読書を総括しておこう。今年から読んだ本や映画の数をカウントしている。1年の目標として、映画を180本以上観ること。読書は100冊以上を読了すること。
映画に関しては96本で無事に予定をクリアしている。このままいけば190本は年末に到達するだろう。読書はこれから紹介する本が62冊目となるので、これまた余裕で目標をクリアしている。この調子で読めば年末には120冊になる。インプットは書くのと同じくらい重要なので、この調子で今年の後半も継続していきたいと思う。
ということで今年62冊目の本を紹介しよう。
2021年 読書#62
『痩せゆく男」リチャード・バックマン著という小説、といっても、この著者の正体は表紙にもあるようにスティーブン・キング。呪いを扱った物語で、最初は笑える展開で始まるけれど、中盤から後半にかけては恐怖で凍りつくことになる。やっぱりスティーブン・キングにまちがいない。
主人公はハリックという弁護士。妻のハイディと娘のリンダの3人家族。ある日、彼の住む街にジプシーの集団がやってきた。いずれ警察から追い出されることになるだろうけれど、それまで住民相手に商売をする。
妻を乗せて車を運転していたハリックは、いきなり道路に飛び出してきたジプシーの老女を轢き殺してしまう。飛び出してきた彼女にも落ち度があったけれど、ハリックも普通なら停止できた。ところがそのとき妻のハイディが、夫の股間にエッチなことを仕掛けていた。それで気が散って事故を起こしてしまった。
ただそこは弁護士。知り合いの判事の助けを得ることで、ハリックはお咎めなしとなった。そうなると黙っていられないジプシー。レムキというジプシーの長老はハリックに呪いをかけた。「痩せていく」と。
それまで医者に痩せるようにいわれていたほど肥満のハリック。なのに呪いをかけられたことでどんどん痩せていく。最初はコレステロールの数値もよくなるし、見た目もいい感じなので笑っていられた。だけどやがて骸骨のようになってきた。その段階で、ようやく本当の呪いだとハリックは気がつく。
同じく便宜を図った判事は全身に鱗が出てワニのようになった。ジプシーを追い出した警察の責任者は全身にニキビのような異様な発疹が出た。結果として二人とも自殺してしまう。
自分が生きるためには呪いを解いてもらうしかない。だけど周囲は彼の言葉を信じない。妻は夫の頭がおかしくなったと思い、病院に強制入院させようとする。ところが実は妻も呪いを疑っていた。なぜなら事故の原因を作ったのは自分だから。つまり自分だけは呪いから逃れようとしていた。
妻に裏切られたハリックは、家を出てジプシーを探す。その手伝いをしてくれたのがジネリというマフィアの親友。ハリックはジプシーを探し出したことで、レムキに宣戦布告する。「呪いを解かないと、お前たちを呪ってやる」と。
その手伝いをしてくれたのがジネリで、彼の作戦は絶妙だった。結果としてジネリの恐ろしさに怯えたレムキは呪いを解くことにした。それはハリックの血を染み込ませたパイを誰かに食べさせて呪いを移行させるという方法。
この段階でハリックの意図は読める。裏切った妻にパイを食べさせること。自分を助けてくれたジネリがジプシーに殺されたことで、さらにここまで自分を追い込んだ妻を恨む。
そして首尾よくパイを食べさせることになった。ところがとてつもない結末が待っていた。娘のリンダに危害が及ばないよう、知り合いの家に預けていた。なのにその日に限って、ハリックが知らないうちにリンダは帰ってきた。そう、妻と娘が仲良くそのパイを食べてしまったというエンディング。
結局ジプシーとの呪い勝負は、ハリックの惨敗ということで終わった。ラストはマジで怖かったなぁ。
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