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高羽そらさんインタビュー

時代劇と音楽のミスマッチが素敵

映画音楽のあるべき姿について、以前何かで読んだことがある。映画にBGMは欠かせない。コメディであろうとホラーであろうと、音楽によって俳優さんたちの演技が何倍にも効果的になる。

 

だけど映画のメインは登場人物であって、あくまでも音楽は脇役。だから演技よりも音楽に意識が向く楽曲は、映画音楽としては失敗作だという内容だった。

 

ところが今日観た映画は、やたらその音楽が気になる。完全にミスマッチといっていい。それなのに不思議と違和感がない。むしろ効果的であるかのように思えてくる。まるでイリュージョンを見せつけられたような作品だった。

 

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2021年 映画#82

『助太刀屋助六』という2002年の日本映画。監督は岡本喜八さんで、この作品が岡本さんの遺作とのこと。仇討ちをテーマにして時代劇で、コメディ要素の強い楽しい作品だった。

 

主人公の助六は父親を知らない。母が亡くなったあと、住み慣れた村を出て仇討ちの助太刀で稼いでいた。ある程度の金銭を手にしたことで、故郷へ帰ってきた助六は役人を交えた仇討ちに巻き込まれる。

 

仇討ちの対象は片倉梅太郎という剣の達人。ある若い役人を二人斬ったことで、その弟たちに仇討ち対象として狙われていた。そして役人立ち会いのもと、その村で仇討ちが行われた。

 

片倉が悪人に思えない助六は、仇討ち対象である片倉の助太刀をしようとする。ところが助六を見て何かに気づいた片倉によって気絶させられる。気がついた助六は、殺された片倉が自分の父親だったと知る。そしてそれまでは助太刀だったけれど、父の仇討ちのために役人たちと戦うという物語。

 

登場するキャラもいい雰囲気で、よくできた物語。片倉が若い役人を斬った理由は、その藩に関わる汚職が理由だった。残念なのはその詳細が語られることがなかったこと。役人たちの不正が明らかにされたならば、さらに気合を入れて助六を応援できたのになぁ。

 

とにかくテンポ感が良くて、退屈することなく楽しめた。相手を斬り殺すシーンでも、一刀必殺という感じが気持ちいい。そして最初に書いたように、作品全般に使われている音楽が異質。なんとジャズが使われていた。それも山下洋輔さんを起用している。

 

このミスマッチ感が、かえって物語を効果的に見せていたように思う。助六を演じた真田広之さんの小気味よい動きが、背景に流れるジャズと調和していた。父親の片倉を演じた仲代達也さんは最高にカッコいいし、幼馴染のお仙を演じた鈴木京香さんのコミカルな演技も楽しかった。

 

時代劇とジャズという組み合わせに、映画音楽の奥深さを教えてもらえた作品だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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