親の想い、子の想い
今日で5月も終わりです。外を歩いていると、もう春ではなく夏です。控えめに言ったとしても、初夏でしょう。春はすでに過去ですね。ですから春に咲いた花が実になっています。
散歩していると、歩道沿いに枇杷の実を発見。美味しそうですが、誰かの所有物っぽいですから取るのは諦めました。
今の季節はグミも実をつけています。これまた美味しそう。明日から6月になります。私も実をつけることができるよう、全力で生きていこうと思っています。あっ、その前に花を咲かせないと実がつきませんね。まだ種まきばかりしている状態ですから、先は長そうです。
今年の1月からブログで連載を始めた『エリクサー』は、今日で最終回となりました。年内には大幅なリノベーションをして、作品として完成させる予定です。6月いっぱいはアップしておきますが、7月に入ると削除しますので読んでいただくなら今のうちです。
ブログで小説を連載するのは、これで一応終了ということにします。明日からは公開することなく作品を書き溜めていく予定です。自分の執筆ペースとパターンをつかみましたので、その状態をキープしていくつもりです。元来が怠け者なので、よほど停滞するようならブログでの連載を再開するかもしれませんけれどね〜!
さて、ここのところしつけと称して、北海道の山中に子供を置き去りにしたニュースが話題になっています。いまだにその子供さんは捜索中です。早く無事に見つかることを祈るばかりです。
両親に対する怒りや罵倒の声と同時に、子育ての難しさを理解する人たちから両親を擁護する声も発せられています。私は子供を持った経験がありませんから、なんとも言えません。でも親の想い、そして子の想いそれぞれに、他人が理解できないことがあるのかもしれません。そんなことを考えさせられる小説を昨晩に読了しました。
『楽園』下巻 宮部みゆき 著という本です。
先日に上巻を読了したとき、ブログで紹介させていただきました。交通事故で亡くなった12歳の少年がサイコメトラーの能力を有している、というところまでが上巻のラストでした。その能力を知るきっかけになったのは、両親により殺害された15歳の娘が、16年間自宅の床下に埋められてミイラ状態で発見されたという事件でした。
下巻ではこの事件の真相と背景が完璧に暴かれています。とにかくすごい物語です。読んだことがない方は、ぜひ読んでいただきたい作品です。決して楽しい話題ではありません。でも子を想う親の心、そし親の愛情を求める子の想い。そんな双方の心の機微が見事に描かれています。
娘を殺害した両親にはもう一人子供がいました。殺された娘の妹です。6歳という年齢差です。妹は自分が30歳になって事件が明るみになるまで、姉は家出したという親の言葉を信じていました。それほど不良で、どうしようもない姉だったのです。
でも事件を知った妹は疑問を持ちます。不良だったとしても、両親が姉に手をかけたことが理解できません。真面目でつつましやかに生きてきた両親の本心が理解できない。ですからルポライターである前畑滋子に真相の解明を依頼するという物語です。
この小説を読んでみたいと思われる方のために、真相は隠しておきますね。とにかく事実は壮絶でした。子供を想う親の愛と葛藤、そしてその脆さも同時に感じました。とんでもない結末でした。そして泣きました。娘を手にかけた両親の心に歩み寄ろうとしただけで、胸が苦しくなります。エンディングで心が和むシーンがなければ、陰鬱な想いのまま本を閉じることになったでしょう。
あとがきに書かれていましたが、この物語は宮部さんが見た夢からヒントを得たものだそうです。それをここまでの物語として完成された宮部さんの筆力に脱帽するしかありません。とても重いテーマですが、どこかスッキリした気持ちになる作品です。この前畑滋子が登場する『模倣犯』という作品を読むのが楽しみです。本当に素晴らしい小説でした!
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