観察力は人生を豊かにする
人間というのは慣れに流されやすい生き物だと思う。ルーティンが確定してしまうと、細かい変化に気づかずに過ごしてしまう。だからいまの人生を大きく好転させるような情報に出会っていても、見過ごすことになってしまう。
そのために大切なのは、観察力だと確信している。それはなんでもないように思えることから、新しい気づきを発見する魔法だと思う。
たとえばこんなアホみたいなことでも、世の中に何らかの『意図』が働いているように感じる。この4月に関していえば、ボクは火曜日に強い縁があった。
3月末に歯の詰め物が取れて、歯科医の予約が取れたのが第1火曜日。そのときに型を取った。
その型をはめて治療が完了したのは第2火曜日。普段は滅多に出かけないボクと妻が、1年ぶりにドライブしてお花見に行ったのが第3火曜日。
先日に行ったエド・シーランのライブが第4火曜日。そして平成最後の日という記念すべき今日が第5火曜日だった。今日は買い物で外出したから、今月の火曜日はすべて外出していたことになる。それも記憶に残るようなことばかり。
これだって気にしなければ、そのまま過ぎていく。だけど意識するだけで、平成最後の月の火曜日は非日常だったことが記憶に残る。こんなことが小説のネタになったりするんだよね。
ボクの妻も観察力が高い。いつもと同じ道を歩いているのに、道路をはっている小さな毛虫等を見つける。ボクなんか言われてもすぐに気がつかないくらい。そのままだと誰かに踏まれて死んでしまうからと、妻は枯葉を使って土の上に移動させてあげる。こんなことがよくあるし、今日もあった。
ただボンヤリと歩いているだけでなく、いつもその瞬間を新しいものと感じているから、妻はこうしたことに気がつくんだと思う。ボクはマジで尊敬している。
さてそんな観察力を高めたい人に、オススメの本がある。
『観察の練習』菅俊一 著という本。タイトルのとおり、まさに観察力を高めるための本。
とてもシンプルな構造になっている。最初に写真が一枚登場する。読者はそれをじっと見て、ありのままに感じる。そして次のページをめくると、その写真に対して著者が感じたことが書いてある。これが最後まで続いている。
クイズじゃないから、正解を問うているものじゃない。同じ写真を見て、著者と自分がどう感じるかを比べるもの。こんな本を書いているだけあって、著者の観察力は高い。なるほど、こんな写真からここまで考えるんだ、と感心してしまう。
そしてこの本を読むと、新しい発見をしたくて普段の散歩が楽しくなる。通勤時や通学時でも、いままで見えていなかったことを感じるようになるはず。観察力を高めることは、人生を豊かにすることだと思う。
この好奇心に満ちた気持ちをなくさない限り、人間の身体は年老いても、心まで老け込むことはないと思うなぁ。
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