本当の現実って何?
今日でボクの誕生月である5月も終わり。明日からはミューナの誕生月の6月が始まり、あっという間に今年の半分が終わってしまうのだろうなぁ。
昨日散歩していると、この時期らしい花を見つけた。
もうタチアオイが咲く季節なんだね。毎日必死のパッチで仕事をしていると、時間の経過を忘れてしまう。ふと我にかえってカレンダーを見たとき、進んでいない自分の仕事を思い知らされてあわてている状態。
仕事に集中しているときは、その小説の世界に入り込んでしまっている。だからどちらかといえば、ボクが生きている現実世界と別の時空で過ごしている。パソコンの画面を閉じても、今の世界に戻ってくるのにしばらく時間がかかる。
そもそも現実ってなんだろう? 本当の現実って何?
ボクは明晰夢を見たり体外離脱を経験すると、いつもそう感じてしまう。ボクたちが現実をひとつの世界だと思っているのは、単なる思い込みじゃないだろうか? それはなんらかの意図(例えば輪廻転生)があって、強制的にある現実に強く結び付けられているだけだととしか思えない。
本来はその都度切り替えができて、同時に多次元の現実を知覚できるはず。だけど現実世界という時空にしばりつけることによって、なすべきことがあるのだろう。本当の現実というのは、もっと多様で多次元で無限大なのだろうと想像している。
そんなことを感じさせてもらえる映画を観た。
『バニラ・スカイ』という2001年のアメリカ映画。最近自主的にトライしている、記憶復活シリーズの映画鑑賞。
ずっと以前に観たことがあるのに、内容をまったく思い出せないwww
トム・クルーズが主演する不思議な話で、ペネロペ・クルスがめちゃめちゃ可愛くて、キャメロン・ディアスがめちゃめちゃ怖くて、カート・ラッセルがどことなく怪しい医者だった、という程度しか思い出せない。かなり重症。
久しぶりに見直して驚いた。こんないい映画だったんだね。まさに明晰夢の映画やんか! なんで忘れていたんだろう?
トム・クルーズが演じるデイヴィッドは、親の遺産を引き継いだ出版社のオーナー。財力もありハンサムなので、女性が群がってくる。でもペネロペ・クルスが演じるソフィアにひとめぼれして、セックスフレンドだったキャメロン・ディアス演じるジュリーとの関係を断とうとする。
ところがジュリーがストーカー化して、彼女の運転する車に乗せられたデイヴィッドは無理心中に巻き込まれる。幸いにも自分だけ命は助かったけれど、ハンサムな顔は見るも無残なことになってしまう。
そのことで精神が病んでしまったデイヴィッドは、ソフィアとうまくいかなくなる。
ところが彼女が路上で倒れている彼を助け、ふたりの関係は修復する。顔の復元手術も成功して、ソフィアとの生活が始まる。でもそこから精神錯乱のようなことが起き始める。
一緒に暮らしているソフィアが、突然死んだはずのジュリーになったりする。やがてどちらがどちらかわからなくなり、デイヴィッドはジェリーを殺してしまう。ところが殺したのがソフィアだと周囲には言われる。
もう何が現実なのかわからない。そこでようやく彼は気づく。これは悪夢であり、自分は夢を見ている、ということを。
路上でソフィアに助けられた場面からが、夢の世界だった。実際のデイヴィッドはある企業の冷凍保存処理を受け、冬眠したような状態で夢を見ているだけ。それが悪夢に変わったことで、救護員が夢のなかに現れるという展開だった。
最終的な決断は、このまま夢を見続けるか、本当の現実に戻るか。でも自分が処置を受けてから150年が経過している。もちろんソフィアはとっくにこの世にいないし、浦島太郎と同じ状態。
エンディングで悩みに悩んだデイヴィッドが、本当の現実世界に戻るため、屋上から飛び降りるシーンで終わる。
いやぁ、不覚にも泣いてしまった。すべてを知ったときのデイヴィッドの心を思うと切なくて、ウルウルしてしまった。どうしてこんな面白い映画のことを忘れていたのか、自分の脳の構造が理解できない。
きっと観るべき時期というのがあるのだろうね。今のボクにとって、この映画が琴線に触れるのだろう。本当に素敵な映画だった!
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