愛すべき銀行強盗
今日はかなり肌寒い神戸です。昨日の夕方から一気に空気が冷たくなって、明け方は寒いと感じるほどでした。午前中から昼過ぎにかけては見事な秋空で、昨日中止になった女子中高の運動会の賑やかな声が聞こえていました。
涼しくなったせいか、久しぶりに仲良しのダンディくんに遭遇。相変わらずのツンデレわんちゃんです。これでも寝ていたのを起きてくれましたから、彼にすれば精一杯の愛想なのですけれどね(笑)
そんな青空も、夕方近くになってまた雨の気配です。夜には降るのかなぁ。明日から10月ですからスッキリとした青空が続いて欲しいのですが、そうもいかないようです。台風も近づいていますしね。週明けにはまた雨と風がやってくるかもしれません。
さて、先ほど読了した本です。
『陽気なギャングは三つ数えろ』伊坂幸太郎 著という本です。
久しぶりに伊坂さんの小説を読みました。昨年出版されたものですから、比較的新しい作品です。どうやらシリーズものらしく、これが3作目とのこと。でも過去の作品を知らなくても十分に楽しめる小説でした。とにかくいつもながら大笑いです。
主人公は4人の銀行強盗。普段は公務員、シングルマザー、商店経営者、動物オタクという4人です。冒頭はこの4人が見事に銀行強盗をやってのける場面から始まります。
その後、タチの悪い週刊誌の記者と出会ってしまいます。一般大衆が喜びそうなゴシップ記事ばかり書く記者で、とんでもない悪党なのです。銀行強盗たちが正義の味方に見えるくらいの人間です。誹謗中傷の記事を書くことによって、少なくとも3人の善良な市民を自殺に追いやっています。
そんな悪徳記者に、4人が強盗であることが知られてしまいます。この記者は違法賭博で抱えた借金を何とかしてくれなければ、強盗であることを世間に公表すると脅します。そのとんでもない要求に対して、4人が作戦を練ります。それが実に面白い。
新しい作品なので、ネタバレはしません。映画でいえばカジノの金をかっさらた『オーシャンズ11』を思い出しました。それほど練りに練った作戦なのです。そして映画と同じように、最後の最後にどんでん返しが待っています。
伊坂さんがすごいと思うのは、伏線の張り方です。まったく無駄がありません。何気ない描写や、冗談としか思えない会話のなかに伏線が仕込まれています。目にしてもつい笑い飛ばして伏線だと気が付きません。いわゆる『散らし』という手法ですね。重要だと思わせずに伏線を仕込む方法です。
その全てが見事に生きていることに感嘆するとともに、とても勉強になりました。一つの単語を使用する際でも、考えて考えた末に書かれているのがわかります。ここまで徹底するからこそ、後半でそれらの伏線が連鎖反応を起こすのだと思います。
このシリーズの過去2作品を読んでいないので、さっそくチェックしようと思っています。4人の銀行強盗たちのキャラが大好きになったので、彼らの過去を見てみたいからです。小説を読みながら、久しぶりに何度も吹き出し笑いをしてしまいました〜!
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