これぞエンタメという最高のラスト
ボクの好きな映画監督の一人にクエンティン・タランティーノがいる。どの作品もそれなりに好きで、機会があれば観るようにしている。ただ彼の作品には注意が必要。暴力シーンがかなりリアルでエグい。
それで緊張しながらある作品を観た。ところが2時間半以上もあるのに、2時間経過してもさほどエグいシーンがない。ところが残り30分でやっぱり来た!
だけど気持ちのいいエグさ。映像の暴力に反比例して心は爽やかな風が吹き抜けて終わった。これはタランティーノのマジックだろう。
2023年 映画#151
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(原題:Once Upon a Time in… Hollywood)という2019年のアメリカ映画。1969年に映画監督のロマン・ポランスキーの妻が殺害された事件がある。妻のシャロン・テートは妊娠中で、人違いをしたカルト集団によって友人たちと一緒に殺されてしまった。
この事件を基にして作られた作品。この当時のハリウッドの裏側が描かれていて、最初の2時間はコメディのような雰囲気で進行していく。主人公はリック・ダルトンという落ち目の西部劇俳優。演じているのはレオナルド・ディカプリオ。
リックの親友で彼のスタントマンを専属で担当しているのがクリフ・ブース。このクリフをブラッド・ピットが演じている。物語はこの二人を中心に進んでいく。二人の共演は初めてだけれど、漫才のようなやり取りに何度も笑い転げた。
リックの隣人がロマン・ポランスキーで、妻のシャロンを演じているのはマーゴット・ロビー。それ以外にもアル・パチーノやカート・ラッセルという俳優たちが出演している豪華キャスト。これから観る人はネタバレするのでこの先を読まないように。
ボクはこの事件をあまり詳しく知らなかった。妻に教えてもらったので、少し調べてから映画を観た。だから臨月のシャロンが友人を集めてパーティをするしシーンにハラハラドキドキ。クリフがヒッピーに逆恨みされたせいで、ヒッピーたちがリックとクリフを殺しにきたから。
あっ、やっぱり二人に間違われてシャロンは殺されるんだ? 実話では以前にテリーという人物がポランスキーの家に住んでいて、そのテリーを殺すつもりでカルト集団が押し入っている。この作品でテリーのことはチラッと出たけれど、ヒッピーたちはリックの家を知っている。ここであれ???と思い始めた。
そしてヒッピーの3人が侵入した。でもLSDでラリっているクリフと愛犬によって二人の犯人はなぶり殺し。まさにタランティーノ映像。さらにもう一人の犯人はリックが放った火炎放射器で黒焦げ。3人のヒッピーたちは返り討ちにあって殺されてしまったwww
もちろんシャロンや友人は無事。それどころか落ち目だったリックがポランスキー家に招待されたことで、彼はキャリを復活させている。史実を知っていただけにドキドキしたけれど、まさかこんなラストになるとは。素敵な終わり方に、思わず拍手をしてしまった。
それにしてもラリったブラッド・ピットの強いこと、強いこと。ラスト30分のアクションシーンは、タランティーノの真骨頂で血の海だった。ここが見もののシーンだけれど、エグいのが苦手な人にはキツイかも。とにかく映画愛に溢れた最高のエンタメ作品だった。
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