不安の根源は不確定な未来
人間は「後悔することへの恐れ」が強いという記事を読んで納得した。迷った末に選択した結果が間違いだとは思いたくない。だから一度心を決めたら、その選択に対するネガティブな要素を無視する傾向がある。
最もわかりやすいのは不動産の購入。ボクもこれまで2度マンションを購入する体験をした。契約をする前までは、そこそこ客観的な視点をキープできている。その物件の長所も短所も冷静に観察している。ところが一度契約書に印鑑を捺した後は、ネガティブな要素が見えなくなる。
いや、見えていたとしても、何だかんだと理屈をつけてポジティブな要因に変更してしまう。不動産の購入というのは、庶民にとってものすごい決断を要する。だから失敗だと思いたくない。それゆえ、もし構造欠陥が見つかったりした場合、失望と怒りは半端ないものになるということ。
とにかく面白い記事だった。
「後悔することへの恐れ」は人間の決断にどのような影響を与えるのか?
リンク先の記事は行動科学者が行った実験をまとめたもの。赤と白のサイコロと同じ形状のカップも2つ用意する。被験者にはサイコロを入れるところ見せないようにして、どちらのカップに赤いサイコロが入っているかを当てるゲーム。
見事当てれば5ドルがもらえる。実験する側は相手がカップを選んだ直後、それを被験者の前に突き出して「本当にこのカップでいいですか?」と尋ねる。
この結果は面白い。なんと90%の被験者が最初に選んだカップを変更しなかった。この結果には2つの心理的要素が影響しているとのこと。
一つは「エンダウメント効果」と呼ばれるもの。選択したことで所有意識が芽生える。だからもう一つのカップより価値が高くなるそう。さらに被験者の前に突き出すことで、パーソナルスペースに入る。当選確率は同じなのに、これだけで最初に選んだカップの価値が上昇する。これは先ほどのマンションの購入と同じ。
もう一つの要因は、「後悔することへの恐れ」とのこと。直感で選んだカップを変更してハズレだとわかれば、その選択を後悔してしまう。どうせがっかりするならば、「変更」というアクションを回避する方が傷つきにくい。この気持ちはよくわかる気がする。
この実験が面白いのは、その後悔に対する心の状態を深く掘り下げているところ。「もし変更して正解した場合は、5ドルの賞金を6ドルに増額します」と提案した。これでもやはり変更する人はほとんどいない。
それで変更後の金額を増額したそう。10ドル、15ドルと金額を上げた、報酬の増額が3倍を超えると、50パーセントの人が変更した。さらに10倍まで増額すると90%の人が選択を変更したそう。いやいや、これまた面白い。人間心理のギャンブル性を明らかにした実験だと思う。
とにかく人間は「後悔することへの恐れ」を抱えているのは事実。言い換えれば、それは不確定な未来に対する不安だと思う。この不安から解放される方法ある。それはボクが今ブログで連載しているFF(フレキシブル・フォーカス)を使うこと。
自分の意識に「運命論」をインストールすることで、起きる出来事の必然性を感じられるようになる。人間に自由意志が存在しないことを認識し始めると、自分の選択に「間違い」がないことを実感できる。こうして未来の不安から解放されると、同時に過去の呪縛からも抜け出せる。なかなか快適な生き方だよ〜〜www
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