自由とは、自分に正直であること
まだ雨は降っていませんが、朝から厚い雲に覆われた今日の神戸です。明日は雨の予報ですね。
昨日の散歩中に見つけたキンカンの実です。明日からの三連休は雨まじりになりそうですが、この木のような外の植物たちは喜んでいるかな。
今日のネットのニュースで、Appleの CEOであるティム・クックがゲイだとカミングアウトした記事が流れていました。私は同性愛者に対して全く偏見がありませんから、素晴らしいニュースだと感じました。でも、世界的にはまだ偏見があるのかなぁ。
自分が自分らしくあることは、本当に素晴らしいことだと思います。他人に迷惑をかけているのではなければ、自分の心に正直であるべきです。そしてそれを周囲も尊重するべきだと思います。自分に正直であってこそ、人間は本当に自由であるとことができます。
今日はまさしくその話題にピッタリの映画を観ました。『フライト』というデンゼル・ワシントン主演の映画です。デンゼル演じるウィップ機長は、機体の故障で墜落必至の旅客機を胴体着陸させることに成功します。とっさの判断により背面飛行することで墜落を回避したのです。
事故後のシミュレーション調査でも、ベテランパイロットが全員失敗したような状況です。乗員2人と乗客4人が死亡しましたが、100人近い人間の命を救うことに成功したヒーローでした。でも機長は大きな問題を抱えていました……。
それは重度のアルコール依存症であり、コカインの常習者だったのです。事故直後の血液検査で明らかにされます。しかしパイロット組合の幹部たちと弁護士が工作することで、その証拠をもみ消すことに成功するのです。なぜなら事故の理由は機体の整備ミスであることが明らかであり、ウィップ機長が人命を救った事実に変わりはないからです。
けれども機長はアルコールの誘惑に負けてしまいます。何度も立ち直ろうとするのですが、依存症には勝てませんでした。そのあたりのデンゼル・ワシントンの演技は素晴らしいですよ。どちらかというと真面目な役柄が多い俳優さんですが、これほどダークな面を演じる彼を見たのは新鮮でした。
ウィップ機長は2つの大きな嘘をついています。
ひとつは自分をアルコール依存症だと認めないことによる、自分自身に対する嘘。
もうひとつは、それを隠すためにアルコールを飲んでいないと他人につく嘘です。
その2つの嘘が、さらに新しい嘘を積み重ねていくことになります。結局最終的な審問でひとこと「No」とさえ言えば無罪放免となるまでこぎづけます。しかし、最終的には彼は自分に正直であることを選択しました。刑務所に行くことを決めます。
ラストシーンで刑務所の囚人たちに自分の体験を語るシーンがあります。自分が嘘をつくことで、どれだけ苦しんできたかを真摯に語っています。そして審問で全てを正直に打ち明けたとき「自分は本当に自由になった」と心の底から語っています。とても印象的なシーンでした。
すこし重苦しさが残りますが、とても素晴らしい映画だと思います。人間が抱える心の弱さと葛藤が痛いほど伝わってきました。そしてそれに向き合う人間の強さと潔さを感じました。見たことがない方は、お勧めの映画ですよ。
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