高羽そらさんインタビュー

他人を演じることで失うもの

女優の寺島しのぶさんが、以前のブログで興味深いことを書いておられた。舞台や映画で誰かの役を演じていると、私生活で本当の自分に戻るのが難しいとのこと。

 

俳優さんが役に入り込むという話はよく聞く。まさにこんな状況なんだろうね。他人を演じるためには、その対象者に成り切らなくてはいけない。舞台やカメラの前に立ったとき自分が残っていればいるほど、リアリティに欠ける演技になるのかもしれない。

 

つまり他人を真剣に演じることで失うものがあるとすれば、それは『本当の自分』だろう。

 

まさにそんな状況におちいり、自分を見失いそうになった男の物語がある。

 

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『アサインメント』という1997年のカナダ映画。初めて観たけれど、最初から最後までハラハラさせてもらえる素晴らしい映画だった。実在のテロリストであるカルロス逮捕にまつわる物語。脚色はされているだろうけれど、実話もかなり盛り込まれていると思う。

 

カルロスはソ連のKGBとつながりを持つ凶悪なテロリストで、実話としても80人以上の人命を犠牲にしている。フランスの諜報組織であるFTAだけでなく、アメリカのCIAにも追われていた。

 

ある日、海軍大佐のアニバルは誤認逮捕される。それはテロリストのカルロスに間違われたから。まるで双子のように二人は瓜二つだった。そのことに目をつけたCIAはある作戦を実行する。

 

カルロスがCIAと手を結んだように見せかけて、つながりのあるKGBにカルロスを暗殺させようというもの。そのためにはアニバルを訓練して、テロリスト仲間に本物だと信じさせなくてはいけない。アニバルは妻と幼い二人の子供がいる優しい夫で、その生活を奪われたくない。それで最初は断るが、最終的に大統領から直接依頼されたことで受け入れる。

 

この映画でめちゃ面白いのはアニバルの訓練。本物のカルロスになるために絶望的な状況にまで追い込まれていく。戦闘訓練だけじゃなく、優しいカルロスの心も狂人にしなくてはいけない。

 

アニバルを訓練するCIAの二人がいいんだよね。ドナルド・サザーランドとベン・キングスレーの親父コンビがいい味を出していた。そしてカルロスとアニバルの二役を演じたエイダン・クインの演技はかなりの見ものだよ。同じ顔をしているのに、まったくの別人に見える。

 

カルロスの愛人をだまさなくてはいけないから、アニバルはセックスのやり方までも仕込まれる。このあたりはマジで笑いつつも、大変だなぁと主人公に同情してしまった。

 

最終的にはどんでん返しがあって、バッドエンドっぽいハッピーエンドになる。アニバルとカルロスが戦うシーンで、二人のどちらを射殺するべきか葛藤するドナルド・サザーランドの演技は良かったなぁ。

 

他人を演じることが、いかに自分を見失うことになるかを実感させてもらえる作品だった。でもこの映画を観て思ったけれど、似たようなことをボクたちは普段からやっている。少なくともボクはそうだった。

 

会社勤めをしているときや、まだ学校に通っていたとき、ボクは家を一歩出た瞬間に他人を演じていた。演じているのは他人が見ているボクであって、本当のボクではない。本当のボクは誰とも会わずに自宅で引きこもっていたい人間。だから他人と関わるためには、別人になるしかなかった。

 

そのために異常なほどテンションをあげるので、1日が終わるときにはストレスまみれになってグッタリする。そして本当の自分がどれなのか、次第にわからなくなってくる。こんな経験をしている人はかなりいると思うけれどなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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