他者に対する判断を即決しない
五月晴れで気持ちのいい天気です。黄砂のような白っぽいもやがかかっていますが、初夏を感じる日差しですね。今日で連休気分も終わりですから、行楽地は賑わっているでしょう。
昨日の散歩中に撮影したバラです。とても綺麗ですが、子供の頃に主流だったバタークリームのケーキを思い出す白さです。あのバタークリームは、二度と食べたいと思わないもののひとつです。でも当時ケーキといえば、すべてバタークリームでしたからね。
生まれて初めて生クリームのケーキを食べたとき、この世にこんな美味しいものがあると初めて知りました。それくらいの衝撃でした。今は生クリームのケーキが当たり前ですから、現代の子供たちはそんな感動を味わっていないのでしょうね。
幸せや満足というのは、過去の経験に照らした相対的なものです。だから辛いことや悲しいことも含めて、多くの経験をしているほうが幸せを感じることが多いのかもしれません。もちろん経験に限度はあります。辛いことばかり続けば、幸せそのものを感じることができなくなってしまいますものね。
今日は母の日です。幸せを感じるお母さんが、一人でも多くあればいいなぁと願っています。お花屋さんは大忙しでしょう。
そして地元では、「灘のだんじり祭り」です。いい天気でよかった。相変わらず私のブログのベスト10の1位をキープしています。2年前の記事なのにね。あと2〜3日はこんな状況が続くのでしょう。
でも今日は引きこもりデーなので、あいにくお祭りは見ていません。午前中は連載小説をブログでアップして、午後からは春の大掃除。今日はガスコンロを分解掃除して、五徳も磨き上げました。ちょっと疲れましたが、気分は最高です。
ブログではアップしませんが、今は新しい短編小説の構想を練っています。それで人間についていろいろ考えているのですが、特定の偏った視点を持たないことの意義を感じています。
先日のブログで『決めつけることの怖さ』という記事を書きました。それと関連する内容ですが、他者に対する判断を即決しないことは最も大切なことだと思います。この人はこんな人なんだ、とすぐに決めつけてしまうと、他の可能性を排除してしまうからです。
人間ですから、当然ながら好き嫌いはあります。根本的な価値観があまりに違いすぎて、距離を置くほうがいいと判断する人はいます。そんな場合、相手も私に対して同じように思っているでしょう。あるいは生理的な感覚でどうしても好きになれない人もいます。お互いを知らないうちは仲良くできても、実態を知っていくなかでこれ以上は無理だと思う人間関係もあります。
でもとりあえずすぐに判断しないことは、とても大切だと思うのです。そしてそうしようと意識しています。
これは先日読んだ村上春樹さんのエッセイの受け売りです。村上さんは、初めて会う人に対する判断を即決しないように意識されているそうです。いいも悪いも含めて、あえて判定を下さないようにされているとのこと。
最終的には良好な関係が築かれる場合や、そうでない場合もあります。でもしばらくは自分の物差しで相手を測ってしまわないようにされています。それは小説の登場人物を構築していくうえで、とても貴重な財産になるからだと述べられています。
人間って複雑な生き物ですから、いろいろな面を持っています。ですから第一印象で感じたキャラでは想像もつかないような発想をしたり、行動をとる場合があります。それは読者にとって大きな驚きであり、物語に新しい世界観を与えてくれることがあります。
そんな感覚を大切にするため、行動や言葉だけで相手を一刀両断しないように気をつけられているそうです。なるほどなぁ、と感銘を受けたので、できるだけそうした視点を保つように意識しています。
こういうことは意識しないとできないものですよね。ついつい今までの習慣で、他人という人間を即断してしまいます。道を歩いていて平気でタバコの吸い殻を捨てる人やつばを吐く人を見たとき、なんてマナーの悪い人なんだと即決してしまいます。
しかしその人だって、私の知らない素敵な部分をいくつも持っているはずです。でも判断を下した瞬間、その人の素晴らしい部分を知ろうとする意識さえ持てません。ダメ人間という烙印を、無意識に押してしまっているからです。
ついついやってしまうのですが、その度に反省するようにしています。赤の他人ですからその人と関わるわけではありません。でも想像力を使って、その人の素敵な部分を信じることはできます。そしてそれは村上さんが述べられているように、魅力的な人物を書くために大切なことだと感じています。
こういうことは無意識でやってしまいますからね。即決しないことが習慣になるよう、鋭意特訓中です!
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