アフリカに実在した女性軍団
今日の神戸も異常に暖かい。ほぼ曇り空なのに最高気温が18度まで上がった。2月20日だというのに、今日の外出はトレーナー1枚でも帰り道には汗ばんだほど。厄介なのは湿度が高いので、洗濯物が乾かないこと。浴室乾燥機を使えばいいんだけれど面倒だしなぁ。
そんな梅雨のような鬱陶しさをぶっ飛ばす痛快な映画を観た。といっても娯楽作品というより、19世紀のアフリカの現実を見せつけられたシリアスな作品だった。
2024年 映画#33
『ウーマン・キング 無敵の女戦士たち』(原題:The Woman King)という2022年のアメリカ・カナダ合作映画。西アフリカにダホメ王国という国が19世紀にあった。最終的にはフランスに占領されてしまうけれど、その王国にはアマゾネス軍団のような最強の女性兵士たちがいた。そんな彼女たちを主人公にした物語。
どこまでが実話なのかわからないけれど、歴史的事実に基づいて作られた物語だと思う。この女性兵士たちの戦いは見もの。アクション映画好きの人なら彼女たちの戦いぶりに惚れ惚れするはず。
主人公はこの軍団を率いる将軍のナニスカで、ヴィオラ・デイヴィスという名優が演じている。この時代はポルトガル等のヨーロッパ国家がアフリカに押し寄せて、奴隷の売買が行われていた。権力者たちは自国の民を売り飛ばすことに抵抗できなかった。それはヨーロッパ諸国の武力だけでなく、奴隷売買による現金収入も無視できなかったから。
ところがこのダホメ王国はそんな奴隷売買にノーを突きつけた。隣国はそのことを不満として大勢の兵士で攻めてくる。それを守り切り、かつ奴隷売買の港を壊滅させたのが女性軍団。アゴジェという軍団名で、処女の女性しか入隊できない。国王に一生を捧げるため。
ナウィという若い女性が親の言いつけを守って結婚しないため、父親はこの軍団にナウィを引き取ってもらった。つまり捨てられたようなもの。最初は何もできないナウィだったけれど、やがて頭角を表してくる。やがてこのナウィは、捕虜になったナニスカがレイプされて産んだ娘だとわかる。
右翼曲折があり、最終的には将軍のナニスカと娘のナウィによって女性軍団は勝利する。隣国の敵将を倒し、奴隷売買の白人たちを追い出したシーンは痛快だった。もちろん多くの犠牲が出て、ナウィの大切な先輩や同僚が命を落としている。
とにかく素晴らしい作品だった。親子の葛藤や、戦争の恐怖が描かれているけれど、最も重大なテーマは人身売買だと思う。それだけに単なるアクション映画と違って強く心に残る物語だった。
ちなみに少し調べてみると、ナウィは女性軍団の最後の生き残りだったそう。1892年のフランスとの戦いに参加し、1979年に亡くなったときはすでに100歳を超えた長寿だったそう。先ほどの写真はそのナウィと母親のナニスカ。素敵な母と娘だったなぁ。
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