メチャ気になる Vol.98
先日、イギリス駐在の北朝鮮公使であるテ・ヨンホ氏が亡命を求めて、韓国に入国したというニュースが流れました。北朝鮮のエリート外交官だったヨンホ氏がなぜ亡命したのか? 調べていると興味深い記事が見つかりました。
北朝鮮の駐イギリス公使はなぜ、エリート外交官の地位を捨て亡命したのか
ヨンホ氏は55歳。北朝鮮のエリート教育を受けて育った方で、英語や中国語が堪能です。デンマークやスウェーデンで書記官として働いた経験があり、イギリスには10年駐在されています。主な仕事はヨーロッパにおける北朝鮮の宣伝だとか。外国メディアが自国に対してネガティブな記事やコメント発表した時、それを否定するのが任務でした。
金正日、金正恩体制において、権力の核心にいて外交の中心であった人物がなぜ亡命したか?
この記事ではその理由がいくつか取り上げられています。最初は二人の息子です。ヨンホ氏の息子たちはイギリスでエリート教育を受けたそうで、学位までとっています。つまりわたしたちと同じような環境で育っていますから、普通にFacebook等も使っているそうです。このまま北朝鮮に戻っても、西側の世界に一度でも触れた子供たちの考えを変えることは難しいでしょう。
過去にも他国で教育を受けた外交員の子供が、両親を説得して亡命させた例があるそうです。ヨンホ氏の場合も、子供の将来を考えたか、あるいは息子たちが熱望したのかもしれません。
次の理由としてあげられているのが、生活が苦しかったということです。北朝鮮が核実験を繰り返すことで、国連から制裁を受けています。そうした経済制裁の影響で銀行口座が凍結され、北朝鮮の公館が無一文になっているところもあります。ヨンホ氏も同様で、公使とは思えないような家に住んで、イギリスの物価高について常に頭を悩ませているような生活状況でした。
このことによって、もしかすると金銭トラブルを抱えていたのでは、という推測が出ています。いわゆる横領ですね。北朝鮮に送るべき金銭を、生活苦から自分の懐に入れてしまったかも。ある消息筋が、銀行口座を凍結されたヨンホ氏がかなりの金額を持ち逃げした、と話しているそうです。
本当の理由はわかりませんが、この記事に書かれていることが、当たらずとも遠からずということでしょう。ヨーロッパの文化に常に触れることで、自国の現状がありのままに見えてきます。おそらくヨンホ氏は北朝鮮の宣伝をしていても、虚しかっただろうと思います。負け犬の遠吠えのようなものですから。
グローバル化した現代社会において、北朝鮮のように孤立した国家は破綻するしかありません。ヨンホ氏にはそのことが見えていたはずです。それでも自国は核武装をやめず、ミサイル実験を繰り返しています。わたしと同世代ですから、亡命したくなる気持ちがわかるような気がします。残りの人生を考えたら、一刻でも早く泥舟から降りたいと思うはずです。
北朝鮮という国は、今後どうなっていくのでしょうか? 一部ではクーデターの噂が出たこともありますが、そう簡単ではないようです。金正恩を操っている実質的な権力者が表に出ていない印象を受けますので、若い世代が立ち上がろうとしても、誰を信用していいのかわからないのではないでしょうか。
最も警戒するのは、追い詰められた北朝鮮が暴走することです。最近では中国でさえ苦言を呈しています。窮鼠猫を噛むで、とんでもない行動に出るかもしれません。アメリカは常にその行動をチェックしているでしょうが、どことなく不気味なものを感じます。できるだけ平和裡に国家の体制が変化してくれたらいいのに、と願わざるをえません。
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