段々良くなる法華の太鼓
いまはあまり使わないだろうけれど、「段々良くなる法華の太鼓」という言葉がある。物事が徐々に良い方向に向かっていくことを象徴したもの。
昨日、あるミュージシャンの新曲を聞いて、この言葉を思い出した。それはリナ・サワヤマというミュージシャン。日本人だけどイギリスで育ち、イギリスのレーベルからデビューしている。2020年にデビューアルバムをリリースして依頼、ボクは彼女の音楽性の高さに感動して応援している。
今年の夏のサマソニで来日して、東京と大阪でライブをやった。そして今月の22日に日本のテレビで初の生出演を果たし、日本語を話す彼女を初めて見て日本人だと改めて認識した。それほど英語がネイティブだから。
彼女は来月の16日にセカンドアルバムを出す予定で、すでに3曲がシングルとしてリリースされている。そして4曲目が昨日になって公開された。デビューアルバムも最高だったけれど、リリース済みの4曲を聞くと、更なる飛躍が期待できる質の高さを感じる。もしかしたらプロデューサーが変わったのかな?
ということでリリースされたばかりの新曲をリンクしておこう。『Phantom』というタイトル。おそらく彼女は『段々良くなる法華の太鼓』だと思う。
そして同じく、『段々良くなる法華の太鼓』を紹介しよう。
2022年 読書#80
『ファウンデーションの彼方へ』上巻 アイザック・アシモフ著というSF小説。関連書籍を含めると全部で13作品もある『ファウンデーション』シリーズの小説。アシモフによる著作は10作品あり、この作品でボクが読むのは9作品目。ついにラスト前の物語になった、
テレビドラマで初めて知ったときは、この物語の世界観を知るのに苦労した。それで原作を読み始めたけれど、ここまで来るともう面白いとしか言えない展開になってきた。まさに『段々良くなる法華の太鼓』という状況。
簡単に世界観を説明しておこう。全銀河はトランターという帝国に支配されていた。だけどハリ・セルダンという数学者によって滅亡が予言された。心理歴史学という数学的手法によって帝国の滅亡を導き出したセルダンは、ある仕掛けを施した。
このまま帝国が滅亡すると、次の帝国が成立するまで人類は3万年も苦難な時代を過ごすことになる。それを1000年という期間に短縮するため、ファウンデーションという構想を計画した。セルダンが創設したのは二つのファウンデーション。
第1ファウンデーションであるターミナスという惑星は、物理世界を牽引していく存在。それゆえ具体的に宇宙を支配してく。この物語の段階でトランター帝国滅亡から500年が経過している。ようやく中間地点まで来た。
だけどこの第1ファウンデーションを陰で仕切っているのが、第2ファウンデーションという存在。セルダンは設置場所を秘密にした。このファウンデーションは人間の精神を操ることによって、セルダンの予言を実現させようとしている。
前回までは、この第1と第2のファウンデーションが争う様子が描かれていた。といっても精神を操っている方が強い。第1の不安を払拭するため、第2は滅亡したと思わせてある。だけど密かに第2はセルダンプランの実現に向けて活動をしていた。今回はその第2が存在する惑星も明かされる。
今回はそれに加えて、第3の存在が明らかにされる。第2ファウンデーションで活動する人たちの精神を操っている存在が懸念されていた。その存在の意図はまだわからない。とにかく三つ巴の展開となっている。この先は心理戦が宇宙で展開されていくので、展開が読めなくてワクワクしている。
詳しい登場人物は下巻の感想でまとめようと思う。この作品は前作で終了させたシリーズを、アシモフが30年ぶりに執筆した続編となっている。それだけによく練られていて、これまでのなかで最高作だと思う。明日、図書館で下巻をゲットしてこよう。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする