SOLA TODAY Vol.519
SNSが一般的になってきて目につくのが、ネット上での言葉の暴力。そしてそこから生まれたのが、炎上という現象。
その炎上によって知名度を上げている部分は否定できないけれど、その代償は思っているよりキツイ。その人の行動や意見に対する反論や批判ならまだしも、どう考えても悪口だとしか言えないものが飛んでくる。それはなんの議論も生み出さない、一方的な言葉の暴力だと思う。
そんな悪口に対して、毅然と立ち上がった人がいる。
横浜DeNA井納投手が中傷ネットユーザーを訴訟。「批判」と「悪口」は全然違う
ここのところネットで話題になっていたので、知っている人も多いだろう。プロ野球選手の井納投手が、昨年の7月にアップされていた妻の写真を見た匿名の女性から、掲示板にこんなことを書かれた。
「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」
井納選手は通信会社に情報開示請求をして書き込み先を特定し、女性に情報開示にかかった費用約77万円を含む損害賠償金191万9686円を請求した。裁判所が最終的にどのような判断を下すかわからないけれど、弁護士の意見によると、明らかな名誉毀損にあたるとのこと。
この行動が話題になった理由は、匿名であっても告訴されるということ。関連記事を読んだけれど、これは意外に知られていない。ボクも初めて知った。
たとえ匿名でも名誉毀損等にあたる場合は、弁護士を通じて情報開示請求をサイトの運営者に出すことで、ほぼまちがいなく個人を特定できるIPアドレス等を開示してもらえる。もし拒否しても、サイトの運営者が裁判で負けることは明らかだから。
この動きはいいことだと思う。匿名だからといって、何を書き込んでもいいわけじゃない。いわゆるインフルエンサーと呼ばれるネットでの影響力を持つ人は、いわれのない誹謗中傷をいつも受けている。客観的に見ていても、これはひどいと思う内容はいくつもある。
この記事にも掲載されているけれど、高須クリニックの経営者である高須克弥さんが、奥さんである漫画家の西原理恵子さんを侮辱した人に対して、告訴の手続きをとっていた。ボクは高須さんのアカウントをフォローしているので、その仔細をずっと見ていた。たしかに、とてもひどいツイートだったと思う。
最終的には侮辱した人が謝罪し、Twitterに謝罪文をアップした。ボクもその文章を読んだけれど、かなり半泣き状態でパニックっているのがわかった。まさか訴訟されるとまで思わなかったのだろう。
同じくフォローしている元大阪市長の橋下徹さんも、先日から訴訟の準備をしている。大阪市の職員を自殺に追い込んだという誹謗中傷のツイートに対して、その本人だけでなく、そのツイートをリツイートして拡散した人まで含めて訴えるとのこと。
ブロガーとして有名なイケダハヤトさんも、明らかに名誉毀損にあたるツイートのログを記録に残し、顧問弁護士を通じて訴訟の準備をされている。匿名だからと思って安心していた人たちは、恐怖で怯えていることだろう。
言葉というのは、人を癒すこともできれば、殺すことだってできる。そんな当たり前のことを理解できない人が、ネットにはあふれている。この記事のタイトルにあるように、「批判」と「悪口」はまったくちがうもの。
今後こうした動きが増えてくるだろうね。今まで我慢していた著名人たちは大勢いるだろうから、どんどんやればいいと思う。言葉で人をおとしいれることが、どのような結果を招くかを知らしめるべきだろう。
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