SOLA TODAY Vol.832
家族の定義を尋ねられたら、あなたはどう答えるだろうか?
予想できる答えのほどんとが、夫婦関係を中心とした血縁者で同居している人を指すだろう。でも我が家は妻と猫の三人暮らしで血縁はないけれど、かけがえのない家族だと断言できる。つまり血縁は付随的なものであって、家族の絶対条件ではないということ。
そのことを証明しているのは、子供たちへの虐待やネグレクト。夫婦間のDVやモラハラも無視できない。これでも家族といえるだろうか。
家族ってなんだろう? 真剣にそう考えさせられる記事を読んだ。
捨てられた親に「もう一度育てられられた」娘が迎えた残酷な結末
悲惨ではないけれど、切なくてたまらない内容だった。ある女性の体験談。
彼女の両親は若く、母親は18歳でこの女性を産んだ。小学校にあがるころに両親は離婚。それで父親が親権を持つことになったが、父の実家は貧しい。それで弟の二人は父親の元に残されたが、この長女だけは施設に預けられることになった。
経済状況がよくなれば迎えにいく、という父の言葉を信じた。そしてなんとか父に迎えにきてもらえるような『いい子』でいようとして、必死で勉強を頑張ったり、生徒会の役員まで務めるようになった。高校も進学校に進んだ。
ようやく高校生になって父と弟たちと暮らせるようになったけれど、夢にまで見た理想の家族とはほど遠い生活だった。弟の二人は他人のような目で自分を見る。一緒に暮らしていなかったのだから仕方ないだろう。
父親は自堕落な生活を送っていて、自分に冷たくあたる。そして衝撃的なことを告げられる。彼女は離婚した母の連れ子だったらしく、父とは血縁がなかった。だから自分だけ施設に預けられたことを知ってしまう。
その事実を知ったことが影響して高校を中退した。荒れた生活を送るようになり、自分の母親と同じ18歳で妊娠してしまう。そしてその子を育てることができず、養子縁組に出すことになってしまった。親に捨てられた彼女は、同じように自分の子供を捨ててしまう。なんとも切ない出来事だった。
家族ってなんだろうね? この記事を読んでいると、そのことをマジで考えてしまう。
日本人は『家』の意識が強い。だからどうしても血の繋がりにこだわってしまう。父や母は大切にしなければいけない、と教えられる。それがどんなにひどい両親であっても。愛情を注げないのは人間として問題があると周囲に判断されてしまう。
今の時代、家族という定義を根本から考え直すべきかもしれない。とりあえず親子や兄弟という概念を取っ払うほうがいい。何より大切なのは、同居している人たちが安心で安全に暮らせることだと思う。そしてできることなら、小さくてもいいから愛を感じられることが必要だよね。
だからシェアハウスのような環境であっても、そこに安心と安全があるのなら家族と呼んでもいいと思う。一緒に暮らしていて言い争いやケンカをすることがあっても、辛いときや悲しいときに安らぎを感じさせてもらえる人こそ、本当の家族なんじゃないだろうか。そんなことを考えてしまう記事だった。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする