あり得ないことを楽しめる心
う〜ん、あかん。終わらん!
マンションが朝から現在(午後4時20分)でもポンプの分解点検で断水しているなか、午前も午後も集中したけれど、新作小説の第1稿が終わらんかった。
もう今日は限界なので、明日以降に集中するしかない。明後日の土曜日になりそうなので、そこから10日ほどかけて推敲するしかない。まぁなんとか間に合うだろう。
こんな日は気分転換が大切。それにはファンタジー映画が最適。
『ロバと王女』という1970年のミュージカル映画。ミュージカルといっても歌って踊るという雰囲気じゃない。どちらかといえばファンタジー映画というほうが正確だと思う。
主演は写真のカトリーヌ・ドヌーブで、彼女がこの写真の王女を演じている。そして少し前に観た『ロシュホールの恋人たち』という映画で、カトリーヌ・ドヌーブの恋人役を演じたジャック・ベランが、この映画はラストで王女と結ばれる王子を演じている。
これはフランスの『ロバの皮』という童話を原作として映画化された作品らしい。美人の妻を亡くした王は、王妃の遺言で自分以上の美人でないと再婚しないと誓う。ところがどこを探してもそんな美人はいない。王妃を超える美人は娘の王女だけ。それで王は娘に結婚を迫る。
おいおい、近親相姦やんけ! と突っ込みたくなるあなたは、この映画がつまらないもしれない。
ファンタジー映画というものは、奇想天外なシチュエーションであることは普通。世間の常識や概念をそこに持ち込むと、素直にその世界へ入れなくなる。
あり得ないことを楽しめる心の余裕がないと、ファンタジー映画は無理かもしれないね。
でもご安心を。決して近親相姦にはならない。娘として父は愛しているけれど、妖精に相談した王女はロバの皮を身につけてみすぼらしい姿に変身することで、王の元を離れる。そして掃除婦として家畜の世話をしながらひっそりと暮らす。
でもそこに王子が登場する。彼はロバの皮を着ている女性が、本当は絶世の美女であることを見抜き、恋い焦がれる。そしてその女性に、自分のために菓子を焼いてくれるように依頼する。王女はその菓子に自分の大切な指輪を忍ばせた。
そこからはまるでシンデレラ。王子の両親である王と王妃は、国中の女性を集めてその指輪が合う女性を探す。高貴な女性から農婦までも含めて、すべての女性が城に呼び寄せられる。そして最後に指輪をはめたのが、ロバの皮の女だった。そして二人は結ばれるという物語。
驚いたことに王女の父は、妖精と再婚していた。まぁつまり、王女は妖精にハメられたようなところもあるよね、それでも素敵な王子とめぐり合えたのだから文句はない。妖精と人間が結婚できるの、と突っ込みたくなる人はこの映画は無理だろうね。
王女と王子の結婚式に、父と妖精の夫婦も参加する。彼らは何に乗って来ると思う? 普通は馬車だよね。
ところが中世のような世界なのに、なんとヘリコプターでやってくる!!!
そんなアホな、と突っ込みたくなる人はこの映画はダメだろう。あり得ないことを楽しめる人にとっては、夢の世界を体験できるような魅力的な映画になるはず。フランス国内では最大級にヒット作になったそうなので、フランス人はあり得ないことを楽しめる国民性があるのかもしれないなぁ。
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