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高羽そらさんインタビュー

恐怖の食糧は人間の幻想

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉がある。恐怖から逃げ続ければ恐ろしいままだけれど、正面から向き合ってみれば恐れるものじゃないということ。

 

もちろんマジでやばい恐怖もある。いきなり街角で大勢の人をナイフで刺すようなやつや、銃を無差別に乱射するような人間がいたら、とにかく逃げるほうがいい。津波のような自然災害も同じで、恐怖に向き合うんだと悠然とかまえている時間があれば、すぐにでも高台へ逃げるべきだろう。

 

ただ人間が潜在意識に抱えている恐怖は、正面突破することで克服できることがある。ボクが体外離脱を経験し始めたころ、いわゆる幽霊というような存在によく出会った。最初は怖くて逃げることしか考えなかった。

 

だけど慣れてくるうちに、あの幽霊はボクが潜在意識に抱えている恐怖が具現化したものだという気がしてきた。そしてそれを確認するために、逃げずに向き合ったことがある。恐ろしげな真っ黒な存在に抱きついて、思いっきり抱きしめた。

 

するとその存在が、光を放って消えていった。それ以来何百回と体外離脱を経験しても、幽霊に出会ったことはない。たった一度恐怖に向き合っただけで、二度と現れなくなった。

 

だけど向き合うことから逃げると、潜在意識の恐怖は肥大化していく。そしてその栄養源となるのが、人間の幻想だと思う。人はある種の幻想を信じ込むことで、恐怖にエネルギーを与えてしまう。その恐怖がさらなる幻想を生み、負の連鎖が止まらなくなってしまう。

 

どこかで恐怖に向き合って連鎖を断ち切らないと、いつまでも悩まされることになる。その連鎖を断ち切るため、果敢にも自分たちが抱える恐怖に立ち向かった少年少女たちの映画を観た。

 

無題43

 

 

『IT』という1990年のアメリカ映画。テレビドラマ用に製作されたもので、全2回で完結する。

 

なんども書いているけれど、スティーブン・キングの小説のなかでボクのベスト5に入る『IT』という作品。先日2017年に公開された劇場版の映画を観たことで、この1990年版のドラマをどうしても観たくなった。

 

『”それ”が見えたら終わり』という記事に2017年版の映画のことを書いている。この記事の写真を比べてもらうとわかるけれど、ペニーワイズという怪物ピエロの雰囲気がかなりちがう。

 

2017年版のほうがおどろおどろしいけれど、この1990年版のピエロは普通っぽいだけに、かえって怖いかもしれない。このドラマが全米で放送されたあと、ピエロ恐怖症になる人がめちゃ増えたらしい。

 

2話合わせて3時間以上もあるので、かなり原作に忠実に作られていた。ボク的には劇場版よりもよかったと思う。特に最初に書いたように、子供たちが恐怖という幻想に立ち向かっていく過程が、とてもうまく映像化されていた。

 

そして彼らが大人になったとき、もう一度その勇気を試される。子供のころのピュアな気持ちを失いかけていたけれど、30年ぶりに親友たちと再会することでそのときの勇気が喚起される。CGはヘボいけれど、映画としては素晴らしいできだったと思う。

 

映画版ではスルーされていた純銀の玉でペニーワイズを攻撃するシーンは、この物語の核となるものだと思う。紅一点のべバリーが大活躍するんだからね。それからエディが自分の吸入器を使うことで、ペニーワイズを傷つけるシーンも大切。なぜなら幻想に対して、幻想で打ち勝つシーンだから。

 

ただの吸入器を『酸』だとエディが宣言することで、本当にそのとおりになる。これも映画ではカットされているので、ボクとしてはドラマを推薦したくなる。

 

この映画を観ていると、人間が根拠のない幻想から生まれた恐怖にどれほど苦しんでいるかがわかる。思っていた以上にドラマの内容が良かったので、今年の11月に公開される劇場版の続編は、DVDを待ってもいいかなぁと思えてきた。

 

だって今年の年末は『スターウォーズ』や『男はつらいよ』の続編があるので、映画館に通うことになりそうだからね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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