大麻は脳を無抵抗にするのかも
ウイルス騒ぎで少し目がそれているけれど、著名人のドラッグ使用に関する話題が途切れることはない。昨日も録画した番組を見ているとき、エンディングテーマが槇原敬之さんの曲だったので、ついドラッグのことを思い出してしまった。
1970年代のロックミュージシャンなんて、ほぼドラッグ漬けだったからね。ボクの好きなミュージシャンで、ドラッグと縁のなかった人を探すほうが難しいと思う。ストレス緩和という部分だけではなく、創造性を高めるためにもドラッグが使われていたんだろう。
ボクの税理士事務所の先輩だった男性が、アメリカ留学中に大麻を経験したことがある。その人の話によると、とにかく感受性が高まるそう。同じ音楽を聴いていても、大麻を吸引しているとまったくちがう世界が見えてくるらしい。
ボクが思うに、おそらく脳の感受性が高まっているんだろうね。それまで知覚できなかったことが、薬物の作用によって活性化されるのだろう。だからミュージシャンたちはドラッグに手を出してしまうのかもしれない。
だけど感受性が高くなるのは、いいことばかりではないように思う。最近の大麻の研究によって、こんなことがわかってきた。
大麻を使用すると「偽の記憶」が作られてしまい犯罪捜査における「信用できない証人」になる可能性がある
かなり興味深い実験結果が出ている。くわしくはリンク先の記事に書かれているけれど、大麻を吸引すると「偽の記憶」を作ってしまう可能性が高くなるそう。
吸引前にある単語を記憶させて、大麻を吸引してもらう。そしてその後にリストを見せて、記憶した単語を指摘してもらう実験。そのリストには、いわゆる引っ掛けワードが含まれている。
大麻を吸引している人は、そうでない人に比べて引っ掛けワードが最初からあったと主張する割合が多かったそう。さらにまったく関連のない単語に関しても、吸引前に記憶したと主張する人が多かった。
もっと恐ろしいのは、事件の証人となるかどうかの実験。VRで犯罪が起きる映像を見せて、その証言記録を取った。大麻の吸引にかかわらず、どちらの人も見た事実を詳細に語ったらしい。
ところが映像にまったく記録されていない状況があったかどうか尋ねると、大麻を吸引している人はそれが映像にあったと明確に認めた。質問者にこんな映像があったはずだと言われると、それがあったと「偽の記憶」を作ってしまうらしい。
おそらく薬物の影響によって、脳の感受性が高まっているんだろう。つまり入ってくる情報に対して無抵抗になっているんだと思う。音楽を聴いている程度ならいいけれど、経験した記憶に関する偽の情報を与えられると、事実として認識してしまうのかもしれない。
これって冤罪の温床になるよなぁ。状況証拠しかない場合、目撃証言はかなり有力なものとなる。もし警察が誰かを犯人としたい場合、大麻を吸引している人なら容疑者に不利な証言をさせることができるかも。
あるいは怪しげなカルト教団だったら、大麻を使用することで洗脳にも使えるだろう。記憶を捏造された人は事実だと確信しているから、ウソ発見機にかけても意味がない。ちょっと怖いよね。
そう考えると、大麻の解禁に関してはもっと慎重になるべきかも。もし解禁するならば、交通事故の事実認定や、犯罪に関する証言を取る前に、大麻等の薬物を吸引していないかどうかチェックするという法律を検討して欲しくなる。少なくともベロベロに泥酔している人と同じ対応をしたほうがよさそうだよね。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする