SOLA TODAY Vol.384
昼間に散歩をしていると、保育園の園児と先生たちが公園で遊んでいる風景をよく見かける。まだオムツをしているような幼児は本当に可愛くて、見ているだけでこちらの顔がほころんでくる。
ボクの年齢でいえば、早い人は孫がいるだろう。子供さえいないボクにとって、孫の存在をイメージすることは難しい。一般的な話としては、孫は可愛がっているだけでいいから、自分の子供とちがって気楽でいい、という声を聞く。だけど、現実はそうでもないらしい。
孫はかわいい。でも…… 面倒をみるのが憂鬱。「孫ブルー」な祖母たち
「孫源病」というものがある。孫を持つ世代が体調不良を覚え、その原因を探ってみると、孫の存在が原因だったというもの。
正確に言えば、孫そのものが原因ではない。孫の親である、自分の子供との人間関係が理由とのこと。
孫は可愛い。だけど子供の養育は、両親が責任を持ってやるべきだ、と考えている祖父母が多い。でもそれは本音であって、現実は思うようにいかない。共働きの夫婦が増え、保育園に行けない待機児童が増えている。必然的に祖父母に負担がかかってくる。
遠く離れているならまだしも、自転車で行ける距離なら孫の世話を断ることができない。ましてや同居しているのなら、「わたしが見てやるよ」と言わざるをえないだろう。
だけど子供のエネルギーは半端なくでかい。自分が若いころなら対応できても、祖父母の年齢になるとかなりきつい。それを無理してやることで、身体に不調をきたす人が増えているそうだ。
自分の子供に対して、孫の育児を断れれないということがストレスなのだろうね。同じ世代で楽しそうに孫の面倒を見ている人のことを知ったりすれば、さらに自己嫌悪におちいる可能性がある。人によっては、その精神的な負担はじわじわと肉体に影響を及ぼすのかもしれない。
そんな「孫源病」にならないため、この記事で紹介されている女性は初孫が生まれる前に、同居している子供夫婦とある約束を取り交わしている。
・祖母のリビングに孫のおもちゃを置かない
・夜20時以降は手伝わない
・訪問は事前にメールで都合を聞いたうえでノックをする
他人行儀で冷ややかな印象を受けるけれど、本当はとても大切なことなのかも。同居している場合は、なおさらだろう。一度でも許してしまうと、断ることが難しくなってくる。だから最初から境界線を明確にしておこうということだと思う。
ボクが子供のころから、核家族化というのが進んでいる。その世代が祖父母になる時代がやってきたことで、「孫源病」なるものが表面化してきたような気がする。これはある意味、時代の流れなのかもしれないね。
この記事の女性のように、はっきり言える人が増えてくるといい。自分の人生なんだから、自分の気持ちを優先するべき。孫と過ごすことが楽しい人はそれでいいし、そうでない人は一定の距離を維持すればいい。
最もやっかいなのは、我慢することだろう。そんなことを続けていたら、体調不良になるのは当然。こういう病があることを、世代を問わず大勢の人に知ってもらえるほうがいいと感じた記事だった。
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