SOLA TODAY Vol.605
噓から出たまこと、という言葉がある。昨日の夕方のブログで1983年に書かれたSF小説を紹介した。この物語で大活躍するのがAIなんだけれど、この当時の人にしたら「嘘っぱち」だとしか思えないだろう。
だけど現代人がその小説を読むと、妙にリアリティがある。世の中を変えるような新しい技術は、誰かが言った嘘や想像が起点になっている。ましてやIT企業のCEOがトンデモ発言をすると、嘘だろうと笑えない。
「5年後、誰もスマホを使わなくなっている」byシャック・マー
中国でIT業界を牽引しているアリババ。その会長であるジャック・マーは「ホラ吹きジャック・マー」と呼ばれているらしい。でもそれは揶揄する言葉ではなく、敬愛を込めて使われている。なぜなら、数々のホラを具現化してきたから。
「銀行が自ら変わろうとしないのであれば、我々が変えてみせる」
「AmazonGoよりも先に無人スーパーを実現する」
こんな宣言をしたジャック・マーだが、当時はホラ吹きだと言われた。ところがすべて言った通りに実現させている。それも面白いことに、こうした大言を4月1日のエイプリルフールに吐くらしい。
今年のエイプリルフールに言ったのが、この記事のタイトルの言葉。でも、どうやら冗談ではないらしい。それがどのようなものかイメージビデオを作成している。それは「アリペイエアー」というもの。
スマホを持たなくても、ネット経由のチップが手のひらに映像を映し出してくれる。その映像を使って電話をしたりSNSにアクセスできる。こんな感じで紹介されている。
イメージ映像だけれど、すごいよね。何もない手のひらに、突然こんな映像が現れる。それでスマホのように使えるというもの。
あるいは自転車に乗っていると、
何もない空中にナビゲーション画像が出現する。SF映画では見たことのある世界だけれど、これが現実になったらと思うとワクワクする。
コンビニ等に行っても、この「アリペイエアー」を使えば、商品を手に取るだけで金額が空中に表示される。個人の識別は生体認証されているので、そのまま店を出たら清算済み。スマホでさえ持つ必要がなく、手ぶらで買い物ができる。
どうやらアリババは、エイプリフールに本気で考えていることを表明して、利用者の反応を見ているらしい。つまりある程度見込みのあることを先に明示して、反響がよければ資本を注入しようということだろう。
だからこの「アリペイエアー」も、数年後には具体的に発表されているかもしれない。もしそうなったら、誰も「ホラ吹きジャック・マー」とは言わなくなるだろうね。
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