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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.847

争いごとは、当事者の不理解によって起こると言われている。たしかにそうだろう。相手の気持ちを理解できれば、無益な争いを避けられるかもしれない。

 

そんなことを真剣に考え、AIによって実現させようとしている人がいる。

 

「AIで争いのない世界をつくる」ある大学生の壮大な試み

 

この研究はかなり興味深い。VR(ヴァーチャルリアリティ)を使うことで、他者の共感を得ようという研究らしい。

 

これは今に始まったことではなく、あるグループに属する人たちの体験を共有することによる好影響は確認されている。例えばVRで黒人の生活を疑似体験することで白人の差別が減少したり、高齢者の身体を体験することで理解が深まることが実証されている。

 

でもこの研究はもっと個人的なもので、特定のパーソナルの共感を得ようとするもの。記事から抜粋してみよう。

 

『僕が実現しようとしているのは、ある特定の個人に対する共感が育まれるようなVR装置です。僕を3Dスキャンしてアバターを作り、他者がVRゴーグルを通して手元を見ると、僕の手が映る』

 

『並立する研究として、3Dスキャンしたデータを身にまとって僕のように振る舞うAIを作ろうとしています。今注目されているGenerative Adversarial Network(GAN)という手法を使うのですが、たとえば、こうやって僕が話しているときのジェスチャーをAIに学習させ、「僕らしい動き」を生成させることを目指しています』

 

簡単に言えばVRとAIを使うことで、ある個人のペルソナを人工的に作ろうという試み。それを体験することで相手のことが理解でき、争いが減少するだろうということらしい。

 

たしかに他人の感覚が理解できることで、争いは減るかもしれない。でもそれは一時的なものじゃないだろうか? 人間の心理として、理解が障害になり得ることもあると、ボクは思うんだけれどなぁ。

 

明晰夢を見ていて感じるのは、出来事に対する距離感。現実だと思っていないから、危険が迫っていても余裕がある。ヤバいと思えば目を覚ませばいいんだからね。ゆえに現実世界での体験とは、その距離感によって異なるものになってしまう。

 

このVRとAIの装置でも、同じような感覚になるんじゃないだろうか? 相手の経験を疑似体験したとしても、それは人工的なものだと心のどこかで認識している。だから本気で自分のこととして感じられないし、どうしても体験している人のバイアスがかかってしまうと思う。人間は主観の生き物だからね。

 

つまり最終的には、本当の意味での共感につながらない気がする。人間というものは嫌いなものは嫌いで、ダメなものはダメ。自分が納得できない行動や考え方を共感させられても、それはある種の暴力でしかないと思う。かえって相手の本心がわかることで、余計に関係がこじれるかも。

 

そして場合によっては、この装置を悪用することができる。特定の思想を受容させたり、洗脳にも使えそうな気がする。共感を得ることが理解につながるのでなく、憎しみを助長することになるかもしれない。テロ思想を理解させることにも使えるよね?

 

他人との相互理解で必要なのは、他者に対する想像力だと思う。あくまでも自分の想像の範囲で理解しようとすることで、相手に歩み寄る気持ちが生まれるんじゃないだろうか? 直接的に理解させればいいというものではないように思うんだけれどなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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