SOLA TODAY Vol.996
刑務所の目的は、犯罪者に罰を与えるという部分だけが強調されている。たしかにそうなんだけれど、本来の重要な目的は更生にある。
そのために様々な試みが行われているはず。ところがどれだけ刑務所組織が犯罪者の更生に意を尽くしても、再犯率が減少しない犯罪がある。
それは性犯罪と麻薬。なぜなら言い方は悪いけれど、これはどちらも病気だから。必要なのは更生ではなく治療。
ただ性犯罪に関しては性癖というやっかいなものなので、おそらく治療は難しい。生まれつき持っているものだから、男性犯罪者の場合だったら去勢でもしない限り治療は難しいと思う。
だけど後天的な病気である麻薬の依存は、大変だけれど治療することが可能。それなのに日本では罰に重きがおかれ、治療がないがしろになっている。
すべての人に絶対知ってほしい「依存症治療」で重要なこれだけのこと
元オリンピック体操選手の岡崎聡子さんが、先日覚醒剤で逮捕された。なんとこれが14回目とのこと。もう一般人の想像をはるかに超えている。この記事の著者はそのことについて触れ、大切なのは罰を与えることではなく、治療することだと力説されている。
麻薬依存症の人たちの脳は明らかな病気。薬物によって快楽の回路ができてしまっているので、やめたくてもやめられなくなっている。先日イギリスで暮らす薬物ジャンキーの青年が、野良猫のボブと暮らすことで立ち直るといいう実話の映画を観た。
ラスト近くで断薬をするシーンがあるんだけれど、その戦いは壮絶だった。一度できてしまった薬物による脳の回路を再配線するには、相当の覚悟と努力がいる。周囲の助けがなければ、とても一人でやれるものじゃないと感じた。
欧米の薬物依存者に対する態度は、罰することよりも治療が優先されているそう。そのための施設や医療体制が整えられている。ところが日本はとりあえず刑務所に放り込むという発想なので、治療に対応できる施設や医師が圧倒的に少ないそう。
昨日のニュースで、東京のある大学の教授が覚醒剤の使用で逮捕されていた。実は1年前に逮捕されていたけれど、執行猶予の判決が出ていたのにそのまま講義を続けていたらしい。大学側は執行猶予の事実さえ知らなかった。
そりゃこんな状態だったら、また薬物に手を出してしまうだろう。周囲でサポートしてくれる人がいなければ、やめようと思ってもやめられない。それほど薬物依存は恐ろしい。
禁止薬物に手を出してしまった人を逮捕するのは仕方ない。法律違反なんだから。だけどその後の『治療』というものに重点を置かないと、いつまでも同じことが起きると思う。そしてボクたちも、薬物依存の人に対して必要なのは罰ではなく治療であることを認識するべきだと思う。
そうでないと、本当の意味での更生はあり得ないだろうね。
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