SOLA TODAY Vol.997
悪質な労働環境が問題になって久しい。3Kだとかブラックだとか、様々な言葉で表現されている。
ボクも過去にはそんな職場を経験しているけれど、さすがにこれは無理だ、と思う職業があるのを知った。おそらくここ10年くらい、必要に迫られて生まれた仕事だろう。
フェイスブックのコンテンツ監視員の職場は「搾取工場」――元監視員が激白
それはネット世界の監視業務。法律に触れたり、他人を中傷するような記事をチェックする仕事。この記事をざっと読んだだけで、『絶対無理!」とボクは叫びそうになった。それほどキツい。
これはFacebookの下請け企業の記事。もちろんTwitter等も監視業務をやっているだろうね。Facebookの場合は傘下にYouTubeやInstagramがあるから、動画を含めると膨大なコンテンツのチェックが必要になる。
とにかく1日中おぞましい動画を見なくてはいけない。少し前には、銃乱射の犯人がアップした動画が問題になっていた。そうして映像もチェックされていたはず。悲惨な交通事故や殺人現場の動画もあるだろう。あるいは動物の虐待や、児童ポルノ等、目を背けたくなるようなものばかりを目にすることになる。
この仕事をしている多くの人が、いわゆるPTSDを発症しているらしい。さらに問題となっているのは、この職場の環境。ただでさえ辛い動画ばかりを見ているのに、ろくに休憩もなければ、職場は不潔で給料も安い。だけど仕事を失いたくないから、泣く泣く職場に通っているとのこと。
Facebookが直接経営しているわけじゃないだろうけれど、管理責任の一端はあると思う。どのような動画をアウトにするか等、様々な基準を決めているのはFacebook本社だからね。とにかくひどい状態。
現状では人間がチェックするしかないんだろうな。コンピュータに移行すればベストだけれど、いまのAIではぬいぐるみを放り投げても、動物の虐待だと判断してしまう可能性が高い。ジョークと本当の虐待の区別がつかないだろう。
こうなると少しでもチェックする人間に負担がかからないよう、Facebookとしては問題解決のためのコストを負担するしかないと思う。でないと大量のPTSD患者を出してしまうことになる。
非現実的な話だけれど、サイコパスの人を集めたら解決しそう。サイコパスは他人に対して感情移入ができないので、おぞましい映像を見ても動揺することがない。優れた外科医などはサイコパスの人が多いらしいからね。
でもそうなったらそうなったで、その職場の雰囲気は別の意味でヤバそう。これは難しい問題だなぁ。
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