お金が生み出すのは時間
時は金なり、という言葉がある。時間というものは、お金と同じくらい貴重だということ。
だけどもしかすると、逆もまた真なりかもしれない。金は時なり、ということが事実だと感じる記事を読んだ。
毎月5万4000円を市民に配り続けた結果何が起こったのか?という記録
ボクはベーシックインカムの賛成派。いまの年金制度をすべて解体して、ベーシックインカムを取り入れるべきだと思っている。AIやロボットの進化とともに、人間が仕事を奪われる時代になってきた。働き方も大きな変化を迎えているので、ベーシックインカムはそれらを補完するものだと感じている。
世界各国でベーシックインカムの社会実験が行われている。もっとも危惧されているのは、毎月決まったお金を支給されると、人は怠惰になって働かないのではというもの。
ところがアメリカで行われた実験で、とても興味深い結果が出た。アメリカ・カリフォルニア州のストックトンという街で、貧困層を対象とした社会実験が実施されている。
「毎月500ドル(約5万4000円)が市から家族に対して支給され、自由に使うことができる」というもの。金額的には生活のすべてをまかなえるものではない。ただこの5万円という余裕は、思わぬものを生み出した。
それは時間だった。
『この余分な5万4000円によって人々が得た最も価値のあるものは「時間」であることがわかりました。親となる時間、休む時間、コミュニティの一員になる時間などさまざまですが、ある人は副業として行っていたLyftのドライバー業をやめ、ある人は家族と過ごすために賃貸アパートの頭金を払うことができました。余分なお金があることで、引っ越しして通勤時間を削減したり、残業時間を減らしたりして、「時間」を買うことができます。シーラという女性は支給を受けたことでストレスが減り、「夜によく眠れるようになった」と語っています』
現金を支給することで、働かなくなるという現象は起きなかった。わずか月に5万円という現金を手にしたことで、多くの人は心に余裕が生まれ、人生を見つめ直す『時間』を持つことができた。そして新しい自分を見つけようとしている。
この結果はボクが思っていた以上にポジティブなものだった。ちょっとした金銭の余裕が、心にゆとりを生む。それだけで人は向上しよう、前進しようと考える。毎月の支払いで頭がいっぱいになっていると、結局は現状から抜け出せないということだろう。
ベーシックインカムに関しては、世界中で社会実験が行われている。思うように結果が出ていないものから、このアメリカの例のように好ましい現象が起きているものもある。国や民族によってちがいが出るだろうから、さらに積極的な社会実験を推進してほしいと心から思う。
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