セルフネグレクトという自殺
日ごろ暮らしている部屋の様子は、その人の心のなかを反映している。断捨離の番組を見ていると、部屋がとっ散らかっている人は心が病んでいることが多い。
だけど綺麗なのか散らかっているかだけで判断するのは早計。散らかっていても何がどこにあるのか把握しているような人なら、それなりにアクティブな生活をしているということだと思う。
もっともやっかいなのは、ゴミを捨てる気力さえない人の部屋。おそらくその人はセルフネグレクト(自己放任)の状態だと思う。セルフネグレクトは高齢の男性に多く、やがて孤独死へと至るらしい。
孤独死する男性は「女性の3〜4倍」現場を見てわかった切ない理由
マンション等の現状回復工事に関わっている人に取材した記事。よくあるのは死後かなり経ってから遺体が発見される孤独死。タイトルにあるように、圧倒的に男性が多いらしい。そしてそのほとんどがゴミ屋敷となっているとのこと。
リンク先の記事でその様子が細かく描写されている。読んでいるとその惨状を目の前で見ているような気分になった。実例で出されているのは、長年連れ添った奥さんを亡くされた男性。周囲の人によると、妻の死後から様子がおかしかったそう。
男性が遺体で見つかったときは、足の踏み場がないほどのゴミ屋敷だった。そして遺体の周囲には、亡くなった奥さんの衣類が山のように積まれていた。寂しくて、寂しくて、耐えられなかったんだろうね。その気持ちを想像すると切なくなってくる。
そのようになってしまう過程が、記事にはわかりやすく書かれている。抜粋してみよう。
『妻との死別後、孤独死する男性は少なくない。伴侶を失ったという精神的ショックももちろん大きいが、男性のように妻を媒介にして社会と接点を持っていた人の場合、妻という拠り所がなくなると生活が荒れたり、ゴミを出す気力すら奪われる「セルフネグレクト」(自己放任)という状態になりやすい。
セルフネグレクトに陥ると、部屋がゴミ屋敷化したり、不摂生、医療の拒否などで健康を維持することができなくなるため、別名「緩やかな自殺」とも呼ばれている』
このセルフネグレクトが孤独死の原因の8割を占めているそう。世の男性にとって、決して人ごとではない事実だと思う。
セルフネグレクトにならないためには、妻に頼りきりの生活を改めるしかない。要するに一人暮らしできるだけの家事能力を身につけること。炊事、洗濯、掃除等の家事に関して、妻にすべて任せきりにしているとセルフネグレクトになりやすいと思う。
男性は普段から率先して家事を分担する習慣をつけるべきだろうね。自分が先に死ぬとは限らないんだから。そしていまはネットというものがあるんだから、自分なりに社会との接点をキープしておくべき。
自宅から外の世界の交流を妻任せにしているから、先立たれたとたんに何もする気力がなくなってしまうのだろう。命がある限りは生きる気力を失いたくない。最後まで全力で生きたい。そのためには、自立心をしっかり育てておかないとね。
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