わいせつ教員の更生は可能?
暴力は肉体的なものであろうと、言葉によるものであろうとダメ。なかでも卑劣で許せないのが性的暴力。
成人女性に対する性的暴力はもちろんひどいけれど、もっと悲惨なのが子供に対するもの。外国ではキリスト教の神父による子供への性的虐待が問題となっている。日本の場合はそうした宗教的なものは少ない。その代わりとして目につくのが教師による児童や生徒へのわいせつ行為。
昨日のニュースを見て、子供への性的暴力に対する法整備が遅れていることを痛感した。
少し前のニュースで、教育委員会などの採用担当者が利用できる「官報情報検索ツール」というデータベースの取り扱いについて変更がされることを知った。わいせつ行為等で免許が失効した教員の情報掲示が、これまでの3年から40年に延長されるというもの。
だから一度でも処分を受けた教員は、来年の2月からはほぼ生涯にわたって犯歴が消えない。酷なように感じる人もいるだろうけれど、ボクは当然の変更だと思っていた。ところがもっと肝心なことがそのままになっている。
わいせつ行為で有罪となって教員免許が失効しても、3年が経過すれば再取得できるということ。犯歴は検索されるだろうけれど、教育委員会の判断によっては再就職も不可能じゃない。昨日の報道は、そのことに抗議する保護者の署名活動を取り上げたもの。
知らなかったので驚いた。たった3年で教員免許が再取得できるなんて……。ボクに子供はいないけれど、署名を集めている保護者の気持ちは想像できる。もし自分に子供がいるとしたら、そんな教員は学校から追放してほしいと本気で思う。
性犯罪というものは、薬物依存と並んで再犯率が高い。それらに共通しているのは、悪いと思っていてもやめられないということ。
特に性衝動というものは本能の力が作用するので、同じことをくり返す可能性が高い。つまり刑務所で服役しても更生することがあまり望めない。悲しいけれどこれが性犯罪の実態。
こうした現状を考慮すると、わいせつ行為で教員免許が失効した場合、再取得の道を絶つことは決してやりすぎじゃないと思う。だからボクはこの保護者たちの想いに共感しているし、そうするべきだと感じる。
わいせつ行為をする教員のなかには、絶対に確信犯がいるはず。そういう人は自分の性癖をわかっていて、必死になって教師という職業にたどり着いた可能性が高い。だからチャンスがあれば、自分の性衝動を行動にするだろう。考えただけでおぞましい。
もちろん冤罪も怖いし、特定の人の未来を潰してしまうことになる。リンク先の記事にも書かれているように、憲法に定められた職業選択の自由を侵害する恐れもある。さらにもし学校から追い出しても、そうした人が子供に対する性的暴力をしないという保証はない。
だとしても、3年経過すれば教員免許が再取得できるという現状の法律は明らかに問題がある。そのあたりは文部科学省も考えているようで、自治体によって差があったわいせつ教員の処分について、「原則として懲戒免職とする」という規定に変更する見通しとのこと。だから免許の再取得についても考慮されるだろう。
厳しいけれど、一度でも子供に対するわいせつ行為を行った教師は二度とその職につけないようにするべき。それぞれの教師の実情によって判断するのではなく、わいせつ行為に関しては一律的な対応を取るほうがいい。そこまでしないと、自分の性衝動ゆえに教師という職業を選択する人間を排除できないと思う。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。