十二国記に完全にハマった
偶然だけれど、中国っぽい雰囲気の小説を2作続けて読んだ。まとめて紹介しておこう。
2021年 読書#45
『その話を聞かせてはいけない』道夫秀介 著という小説。ホラータッチの中編小説で、物語全体につきまとう恐怖が最後まで続く物語だった。主人公は馬珂(マー・カー)という名の小学生。幼いころに中国人の両親とともに日本へ移住して、両親は中華料理店を営んでいる。
中国名は素晴らしい意味があるけれど、日本語では『バカ』という発音。それゆえイジメを受けていて、友人はいなかった。そんな彼は常に亡霊のようなものにつきまとわれている。その正体が明らかになるのはラストのシーン。
殺人現場を目撃したことで、彼は命を狙われる。そんな彼を助けてくれたのが、その亡霊だったという結末。なんともいえない気持ちの悪い物語だけれど、とても心に残る作品だった。
そしてもうひとつ。中国を意識したと思われる作品を読了した。
2021年 読書#46
『月の影 影の海 十二国記』下巻 小野不由美 著という小説。上巻についての感想は『十二国への長い旅が始まった』という記事に書いているので参照を。
なんとこの作品の上巻を読了したのは今年の1月25日だよ! 上巻と同時に下巻を図書館に予約していたけれど、待ち人数が多くて下巻が届いたのは5月になってから。まさかこれほど期間があいてしまうとは。それでも面白い物語だったから、上巻のストーリーはほぼ完全に記憶していた。
上巻では普通の女子高校生だった中嶋陽子。ところがいきなりケイキと名乗る人物が現れて、陽子のことを『主人』と呼んだ。そして彼女は異世界へと連れていかれる。そこが十二国記の舞台となる世界。どうやら中国をモデルにしているらしい。
ケイキがジュウユという存在を陽子と合体させたことで、彼女は剣を使うことができた。それで次から次に襲いかかってくる妖魔と戦うことができた。とにかく元の世界へ帰りたい。その一心で必死に生きようとするけれど、最終的には瀕死の状態になる。そこまでが上巻。
下巻ではラクシュンというネズミの姿をした半獣に助けられる。そしてラクシュンとともに旅をすることで、陽子はようやく自分の素性を知る。結論からいえば彼女は慶国という国の王だった。詳細を書くスペースはないので省略するけれど、本当はその慶国の生まれで、王として正式に任命されていた。
ところが偽の王がその国を支配していた。荒廃した国を救うため、元の日本へ戻ることを諦めて国王として君臨するという結末。簡単に書いているけれど、これがメチャメチャ面白い! ボクは完璧にこの物語の世界にハマってしまった!
新刊が出るたびに書店へファンが殺到する理由がわかった。この物語にハマってしまうと、中毒のように離れられなくなってしまう。まだ始まったばかりだけど、ボクも最新刊まで追いつきたい。いや、追いつかずにはいられない。早く続きを読まなくては!
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