謎の多い第5波収束の要因
ここのところ新型コロナウイルスの感染状況を見ていると、デルタ株による第5波は収束したと考えていいだろう。ただその要因に関しては謎が多く、海外でも日本の状況が注目されている。アメリカのタイム誌では「摩訶不思議なサクセスストーリー」とまで述べている。
8月下旬には2万5千人を超えていた感染者が、10月下旬には200人台まで減少している。そりゃ海外にすれば不思議に思うだろう。
最大の要因として認知されているのはワクチン接種。日本のワクチン接種はスタートダッシュに失敗した。それでもワクチン確保に政府が精力を注ぎ、医療関係者、そして各自治体の努力によって急速にワクチン接種が進められた。
それゆえ短期間で国民の7割接種という、他の国では信じられないようなことが起きた。それゆえ集団免疫の獲得と同じようなことが起きたと考えられている。もちろんこれがもっとも有力な要因だろう、とボクも思う。
それ以外には、オリンピック前後の感染拡大による国民の危機意識。真夏に前線が停滞してことで、エアコンを使わずに窓を開けて換気する世帯が増えたからだという見解もある。さらにウイルスは宿主と共存する必要があるため、殺さないように弱毒化しつつあるという説まである。
おそらくそれらのすべてが複合的にプラス方向に動いたのだろう。そして日本人はいまだにほとんどの人がマスクを着用している。ボクはこれが大きな要因だと思っている。イギリスで感染が再拡大しているのは、早々にマスクを手放したことが理由のような気がする。
そんななか、ちょっと面白い要因が提唱されている。
ここにきて、日本のコロナ減少が「ワクチン効果ではない」と言える、驚きの根拠
週刊現代の記事。理論としてはとてもユニーク。ただ急速な第5波の収束に関して、決して無視できない要因だと感じた。
まずリンク先の記事でワクチン効果を否定しているのは、東京より接種率の高い他の都道府県で感染者の大きな減少数が認められないこと。さらに高齢者の接種率が高いのに、接種率の低い若い世代の方が顕著に感染者の減少を見せているから。
そこで唱えられているのが「エラー・カタストロフの限界」という理論。どのようなものか記事から抜粋してみよう。
『ウイルスが増殖する際に複製のミスが起きると、変異株が生まれます。このとき、高い複製能力を持つ変異株が生まれてしまうと急速に感染が拡大します。しかし、増殖が速ければ、それだけ様々な複製のミスも起こります。その結果、ある一定の閾値を超えると今度はそのウイルスの生存に必要な遺伝子までも壊してしまい、ウイルスが自壊する』
デルタ株は異常なほどの感染力の高さだった。それゆえ複製ミスを起こし自滅したのでは、という説。8月から10月にかけて日本で感染者が激減した理由として、かなり説得力の高い説のように感じる。ワクチンの効果がこれほど急速に出るように思えないから。
もちろん最初に書いたように、複合的な要因が作用したんだと思う。ワクチン接種の効果を否定する意図はない。ただ何がなんでもワクチン効果だと主張されると、ボクはなんとなく違和感を覚えてしまう。製薬会社のプロバガンダのように感じてしまうから。
とにかく第6波が起きず、新型コロナがインフルエンザ程度の扱いになることを願うばかり。そのためにもマスクの着用等、引き続き感染対策を継続していくしかないよね。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする