こんな西部劇なら大歓迎
映画を観るとき、できるだけジャンルに偏りがないよう注意している。そうは思いつつも、つい避けてしまうジャンルがある。それは西部劇。
子供のころに観たマカロニウエスタンの影響なのか、ドンパチやっているだけの印象しか抱けない。『荒野の七人』が好きなのは、元ネタが『七人の侍』だから。どちらかといえばアメリカ先住民族を悪役にするような作品が多く、特に古い作品は観る気がしなかった。
だけど出演俳優が気になって、思い切って観た映画がある。これがすごく良かった。興奮が止まらず、最後の最後まで感動が続く作品だった。比較的新しい作品なので、西部劇に対するアプローチが昔とはちがっているのかもしれないね。こんな西部劇ならボクは大歓迎だと感じた。
2021年 映画#174
『3時10分、決断のとき』(原題:3:10 to Yuma)という2007年のアメリカ映画。ボクがこの映画を観ようと思ったのは、写真のラッセル・クロウとクリスチャン・ベールが共演しているから。この二人のファンの人は、観ないと後悔すると断言できるほどカッコいいよ!
ラッセル・クロウが演じるベンは強盗団の頭領。これまで多くの強盗を重ね、大金と大勢の命を奪ってきた悪党。人を殺すことをなんとも思わない人物として登場する。
一方クリスチャン・ベールが演じるダンは貧乏な牧場主。南北戦争のときは優秀な狙撃手だったが、戦争で片足を失くしている。牧場経営がうまくいかず、多額の借金をしている。家族の生活を守るために借金の支払いが遅れたことで、家畜を飼育している納屋を燃やされてしまう。
ある日、女性にうつつを抜かしていたベンが逮捕されてしまう。そして明後日の午後3時10分にコンテンション駅から出るユマ行きの列車にベンを乗せ、刑務所へ送ることになった。ところがその直前に起きた強盗事件の死者によって連行する人間が足りない。そこで金に困っていたダンが志願する。
ということでこの映画のタイトルにつながる。もちろんベンの手下たちはボスを奪いにくる。そして旅の仲間は殺され、一人、二人と脱落していく。不思議なことに旅を続けるうち、ベンとダンは互いを認めるようになる。水と油のように合うことはないけれど、両者の関係に微妙な変化が現れてくる。
あと1時間で列車が到着するというとき、一行はベンの手下に囲まれる。そして最後まで残ったのはダン一人だけになった。ベンはダンを多額の金銭で買収しようとするが、ダンは使命を果たすことに執着する。
なぜならダンが南北戦争で負傷したのは戦った結果ではなく、撤退中に味方に撃たれた怪我が原因だった。貧乏な生活で息子の信頼をなくしつつあったダンは、どうしてもこの仕事をやり遂げたい。息子に立派な自分の姿を見せたい。その本音を知ったベンは、ダンの想いに共感する。
ここからの銃撃戦が見もの。ホテルから駅に向かう800メートルに道中、当然ながらベンの手下たちが襲いかかってくる。ところがベンは逃げようとせず、ダンに協力して駅へ向かおうとする。彼の思いを遂げさせてやりたい。その一心で、手下の銃弾のなかを二人でくぐり抜けていく。まるで昔からの相棒のように。
これがどのような結末を迎えるかは、あえて書かないでおこう。古い映画なので観たことのある人は多いだろう。だけどまだ観ていない人のために、お楽しみは置いておこう。とにかく二人がカッコいい。特にラッセル・クロウのカッコよさは別格。彼のことがますます好きになってしまった。
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