戦争犯罪に時効はない
ロシアがウクライナへ侵攻してから、あと10日余りで2ヶ月になる。数日でウクライナを屈服させるつもりだったプーチンにすれば、2ヶ月近く経っても戦争が継続しているとは開戦当時に思いもしなかっただろう。それだけウクライナの抵抗が激しく、世界中が本気で怒っているということ。
ただ気になるのはウクライナ国民に向けたロシアの戦争犯罪。ロシア兵による市民の虐殺証拠が次々と出され、ジェノサイドと言っていい状況になっている。未確認情報だけれど、ロシアが化学兵器を使った形跡があるとイギリスが報道している。
今朝の報道でプーチンは、「ウクライナ東部の住民を救うためほかに選択肢はなかった」と侵攻を正当化している。こんな虚言を信じているのは一部の人間だけで、世界中のほとんどがプーチンの欺瞞に怒りを覚えている。戦争犯罪と見られる行為が露呈したことで、さらにロシア政府の責任を追求する声が高まっている。
そんななか、ポーランドがついに声を上げた。
戦争犯罪に時効はない、ということでポーランドがロシアを国際法廷の場に引きずり出すことを決めた。詳細は知らなかったけれど、ボクも耳にしたことがある「カチンの森事件」というもの。リンク先の記事から抜粋してみる。
『ソ連は1939年9月、独ソ不可侵条約に基づきポーランド東部に侵攻。ソ連側はその際に捕虜にしたポーランド人将校ら約2万2000人を、現ロシア西部のカチンの森やメドノエ、現ウクライナ北部ハルキウなどで射殺した』という悲劇。
ナチスドイツのような蛮行。ソ連はずっとナチスドイツのやったことだと主張していたが、1990年にゴルバチョフ大統領が自国の責任を認めているそう。ポーランドとしては今回のウクライナ侵攻を受けて、過去の戦争犯罪に関しても正式にロシアの責任を追求しようと考えたのだろう。
ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領の言葉に本気を感じる。
「ジェノサイド(集団殺害)に時効はない。この事件が国際法廷で裁かれることを求める。適切な動議を近く提出する」
「戦争犯罪や人道に対する罪が忘れ去られ、処罰を免れることによって、罪を犯しても罰せられることはないという意識が醸成される。新たな犯罪者にとっては青信号が点灯したようなものだ。そのことが今、独立し、民主的であるウクライナに対するロシアの残虐な侵略という形で顕在化している」
ドゥダ大統領の言うとおり。今回のウクライへの侵攻を見逃すことは、次に起きる戦争犯罪を世界が容認したのと同じ。そのような悲劇を断固として阻止するために、あえて過去の戦争犯罪を法廷の場で取り上げようとしたのだろう。
裁判の結果よりも、ソ連、つまりロシアが過去にどのようなことをやっていたかを世界に知らせることは大切。今回のポーランド大統領の言動によって、ロシア国民ならびにロシア軍の幹部が、プーチンに対して戦争終結の声を全力で上げるきっかけになることを願っている。
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