久しぶりに見た真性イケメン
音楽依存症のボクなのに、クラシック音楽はあまりくわしくない。決して避けているわけじゃないけれど、なかなかじっくりと聞くことは少ない。それゆえクラシック音楽に親しんでいる人には有名なミュージシャンでも、映画等で初めてその人物の名前を知ることが多い。
19世紀にパガニーニという天才ヴァイオリニストがいたそう。そんな彼の栄光と挫折を描いた映画を観た。
2022年 映画#53
『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』(原題:The Devil’s Violinist)という2013年のドイツ映画。映画の内容をまったく知らずに観たけれど、なかなか見応えのある音楽映画だった。
ボクがまず反応したのはパガニーニを演じていた俳優さん。久しぶりに真性イケメンを観た気がする。デイビット・ギャレットという人で、なんとモデルらしい。そりゃイケメンなのは当然。ところがさらに驚くことがあった。
主人公は天才ヴァイオリニストだから、当然ながらヴァイオリンを弾くシーンが何度もある。映像を観ている限り、代役を使っているように見えない。それで調べてみると、デイヴィット・ギャレットはモデルでありながら、ヴァイオリニストでもあった。それも現代のパガニーニと呼ばれているほどの天才奏者だった。
そりゃ本人で撮影できるよね。とにかく演奏シーンの迫力に圧倒された。例えとしてボクには他に思いつかないんだけれど、生まれて初めてジミ・ヘンドリックスのギタープレイを見たときのような衝撃を受けた。あまりにすごい演奏で、本当に鳥肌が立った、
ストーリーもよく練られていて、パガニーニが天才的な演奏をできるのは悪魔に魂を売り渡したから、という当時の噂がうまく利用されている。まだ無名だったパガニーニに近づいてきたのがウルバーニという人物。彼の手腕によってパガニーニは世界が注目する存在となる。
ところがこのウルバーニは実は悪魔かも、というニュアンスで描かれている。だから彼がマネージャーとして関わっているときは、パガニーニは天才ぶりをはっきする。だけどシャーロットという本気で愛する女性を見つけ、邪魔をするウルバーニを排除したとたん、パガニーニの人生は転落していく。
これまた例えが洋楽になるけれど、ビートルズを世界に売り出したブライアン・エプスタインというマネージャーを思い出した。彼がいなくなってから、ビートルズは解散するしかない運命をたどっていったからね。
音楽映画としては、パガニーニという人物を知らない人たちに知らしめる効果があったと思う。ただクラシック音楽の物語としては、モーツアルトを扱った『アマデウス』という作品のほうがはるかに面白い。あの作品のモーツアルトは、天才と狂気の曖昧な境界線が剥き出しになっている作品だったから。
でもこの映画は主人公のイケメンと、素晴らしいヴァイオリンの演奏を見せてもらえるだけでも値打ちがある。撮影に使ったヴァイオリンは、5億円の価値があるストラディバリウスだったらしい。いやはやヴァイオリンまでイケメンだよなぁwww
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