メチャ気になる Vol.75
イギリスのEU離脱が話題になっていますが、それに関連する面白い記事を見つけました。
EU離脱で頭の体操、町田市が東京を“離脱”するとしたらどんな手続が必要？
よくこんなことを考えるなぁ、とウケてしまいました。同時になぜ町田なのか不思議に思いましたが、記事を読んでわかりました。
土地勘がないのでピンとこなかったのですが、東京の町田市というのは神奈川県に細く食い込んだようになっているのですね。歴史を遡れば以前は神奈川県だったとのこと。でも水利関係の利権絡みがあって、東京に編入されたそうです。
さて、実際に町田市が東京を離脱するには、どんな手続きが必要なのか？
この記事を読んで知りましたが、これは大変です。実質的に無理でしょう。
まずは移動に関する法律を制定しなければいけません。これは事例ごとの法律になるので、例えば神戸市が兵庫県から大阪府に離脱する場合にも、新たに法律を制定する必要があります。どちらにしてもここが難関です。
現在のように与党が国会で過半数を占めている状態であっても、新しい法律を制定する意義が問われます。町田市がどうしても東京を離脱しなければいけない『理由』がなければ、そもそも国会の審議にあがることさえ難しいでしょう。
万が一、その法律が制定できたとしましょう。ところがさらなる難関が待っています。町田市の事例の場合、東京都と神奈川県の双方で住民投票を実施して、どちらも過半数を獲得しなければいけません。東京都民が賛成しても、神奈川県民が反対すれば成立しないのです。
これだけの難関を乗り越えなければ、町田市は東京から離脱することができません。現実問題として町田市の市外局番は神奈川県と同じらしく、近隣の神奈川県の自治体と協調体制がとれています。あえて東京から離脱する必要性がありません。ですからこれだけ面倒な手続きを住民がとるはずありませんよね。
関西でいえば、尼崎市が似たような状況です。大阪に面した尼崎市の市外局番は大阪府と同じですが、住所表記は兵庫県です。でも私たちの感覚でいえば、尼崎市って大阪のイメージがあります。西隣の西宮市は明らかに兵庫県なのですけれどね。
とても面白い記事なのですが、背景に深い闇が見えるのは私だけでしょうか？
こうした自治管理の境界線を組み替えることは、この記事のように手間と時間がかかります。民意の統率も必要となります。しかしある権力者がいてそのことを希望した場合、そんな面倒な手続きをとるとは思えません。自分の意思をごり押しするはずです。そうすると何が起きるのか？
戦争の原因というのは、こうしたところにあるような気がします。法律が特定の人間の専横を阻止しようとしても、そんなもの気にもかけません。手続きが面倒であればあるほど、強権を発動するでしょう。日本人がどれだけ憲法９条を振りかざしても、侵略者にとってはただの紙切れでしかないということです。
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