メチャ気になる Vol.83
必ず一度は訪れたいと思っている海外の街はいくつもあります。その一つがトルコのイスタンブールです。ヨーロッパとアジア、そしてキリスト教とイスラム教が混ざり合った不思議で魅力的な街です。親日家が多いトルコですし、世界三大料理の一つであるトルコ料理も食べてみたい。ところが今のイスタンブールはとても観光どころではありません。こんな記事を見つけました。
トルコが大粛清…世界秩序の崩壊を憂う西側メディア “困難な時代が近づいてきている”
ISのテロが続くトルコで、先日はクーデターが起きました。軍部の一部が国家機能を制圧しようとしましたが、結局は失敗に終わっています。それでも300人の人が亡くなり、1,400人の人たちが負傷する大惨事になりました。1960年以来5度目のクーデターですが、首謀者は明らかになっていません。今のところエルドアン大統領と反目しているイスラム教イデオロギー信奉者であるギュレン師が関与したとみられており、軍部における「ギュレニスト」たちの暴走だと言われています。
失敗した理由はいろいろ記事になっていますね。大統領であるエルドアンを殺害できなかったこと、軍部の幹部を巻き込めなかったこと、そして最大の理由は国民の支持を得られなかったことです。メディアを制していたエルドアン大統領のほうが上手でしたね。大統領が国民に戦うよう呼びかけると、多くの市民が戦車の前に立ちはだかりました。もし日本で自衛隊がクーデターを起こした場合、安倍総理が国民に抵抗するように言っても絶対に無理でしょうね(汗)
最終的には民主的に選ばれた大統領を国民が支持したということです。過去の教訓のせいか、世論調査では国民の82%が軍に権力を握らせることに反対しているそうです。だからこそ大統領の言葉に立ち上がったのでしょう。
ところがクーデター終了後のトルコはきな臭い。今回のクーデターはエルドアン大統領の自作自演ではないかと噂が出ているほどです。「ギュレニスト」に対する大粛清が行われています。大統領は非常事態宣言を出したあと、6,000人の兵士を逮捕、数千人の警察官、検事、裁判官を解雇、あるいは停職にしています。昨日も別のニュースで見ましたが、ギュレン師の関わる私立学校の300校を廃校にするとのこと。
どうやらクーデターの失敗を利用して、自分に逆らうものたちを排除しようとしているのは明らかです。民主的に選ばれたとはいえ、こうした権力を行使することで専制政治の様相を帯びてきました。この記事にも書かれていますが、世界的な民主主義の流れが大きな分岐点を迎えているような気がします。
これ以上大統領に暴走させると、再び軍部に動きがあるかもしれません。内政干渉にならない程度で、NATO諸国が監視体制を維持していかないとヤバイような気がします。今朝のネットのニュース速報で知りましたが、トルコのNATO軍基地で大規模な火災が起きているようです。まだ海外のニュースしか発信されていないので詳細は分かりません。でも動画を見る限り、とんでもない規模の火災です。何か事件でなければいいのですが。
う〜ん、当分はイスタンブールに行けそうにないですね。それどころかヨーロッパ全体がテロの標的になっています。ドイツの事件はISのテロではなかったようですが、大量殺戮が多発している流れに触発されているように思います。フランスも非常事態宣言が延長されています。世界情勢を見ていると、始まる前からリオ五輪が無事に終わることを祈らざるをえません。やれやれ。
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