SOLA TODAY Vol.276
最近はFacebookと疎遠になっている。以前はTwitterと連動させていたので、ボクのすべての投稿がFacebookに反映されていた。でもある日システムのトラブルがあり、切り離すべきだ、という啓示のような気がしたので連動を解除した。
今のところFacebookはブログの投稿通知にしか使っていない。Twitterとちがって、Facebookは基本的に本名登録と写真掲載が条件になっている。それゆえ、人の本音や悪意が見えにくい。上っ面しか感じないので、退屈だという感覚がどうしても抜けない。
でもTwitterは匿名投稿者であふれているから、まさにカオス状態。デマや罵詈雑言を含めて、人間のアクが見事に浮き出ている。それゆえ個人的には興味深く、最近のボクの意見はTwitterのみで投稿している。
さらに写真や動画も、Instagramのほうが面白い。買収しているのはFacebookだから実質的には同じだけれど、Instagram独自の雰囲気が気に入っている。だからついついFacebookと距離ができてしまった。
それでも世界的なつながりとしてのFacebookの意味合いは、見捨てることができない。そして単なるSNSとしての機能だけではなく、あらゆる分野に手を伸ばそうとしている。
なぜCEOのマーク・ザッカーバーグはこれほど適切な手を打つことができるのか? その理由の一端を知ることのできる記事を読んだ。
ザッカーバーグのハーバード卒業式スピーチが感動的だったので日本語訳した。
ザッカーバーグがハーバード大の卒業式で行ったスピーチを邦訳したもの。とてもいい、とネットで流れていたが、実際に読んでみてたしかに感動した。素晴らしいスピーチだと思う。
30分にわたるスピーチを邦訳してあるので、興味のある方はぜひ読んでほしい。Facebookという会社が、何を目指しているかよくわかる。もちろん企業としての利益追及を念頭に置いているだろうが、それを上回るだけの創業者の精神がいまだに強く反映されている。
ハーバード大を中退したザッカーバーグだけれども、Facebookの前身である『フェイスマッシュ』を立ち上げたことで、大学から追い出されるように感じたらしい。それは周囲も同じだったようで、彼を送り出すさよならパーティーが行われた。
そのパーティーの席で、現在の妻であるプリシラと出会っている。結果的には自ら大学を辞めたけれど、この騒ぎのおかげで妻と出会えただけでも、ハーバード大に来た意味があると感じているらしい。
さらに映画の『ソーシャル・ネットワーク』についても、皮肉を込めて言及している。ザッカーバーグを主人公にしたあの作品が、どれだけ事実とちがうことが盛り込まれているかを、チクチクと話しているのが面白い。まぁ、映画というのはそういうものだよね。
気に入った内容を、少しだけ抜粋させてもらう。
以下抜粋〜
今日僕が話したいことは、「自分の人生の目標を見つけるだけでは不十分だ」という話をします。僕らの世代にとっての課題は、「”誰もが”目的感を人生の中で持てる世界を創り出すこと」なのです。
(中略)
「目的」というのは、僕ら一人ひとりが、小さな自分以上の何かの一部だと感じられる感覚のことです。自分が必要とされ、そしてより良い未来のために日々頑張っていると感じられる感覚のことなのです。「目的」こそが本当の幸福感をつくるものなのです。
(中略)
起業家文化は、多くの新しいアイデアを簡単に試せるようになっている時に栄えます。フェイスブックは僕が最初に作ったプロジェクトではありません。僕はゲームも作ったし、チャットシステムも作ったし、スタディツールも、音楽プレイヤーも作りました。こういうのは僕だけの話じゃないです。JKローリングはハリーポッターを出版できるまでに12回も断られました。ビヨンセですら!”Halo”を作るまでに何百曲と作ったんです。大きな成功は「失敗する自由」によって生まれます。
しかし今日、僕らの社会はどんな人にとっても問題であるほどの富の格差問題を抱えています。もし”ある人”がそのアイデアを実行に移す自由がなかったら、それは”僕ら全員にとっての”損失です。
〜以上抜粋。
『失敗する自由」、『アイデアを実行に移す自由』。とても素敵な言葉だなぁ。成功者の彼だからこそ、説得力がある。
大学を中退したザッカーバーグが、大学教育についての価値を語るのには違和感がある。きっと本人は大学教育がどうしても必要なものだと考えていないはず。でも卒業式という場に呼ばれたことで、リップサービスも含めて自分の考えを語ったのだろう。
それはおそらく大学教育についてだけではなく、自分と同じ世代の人間たち全員に向けてスピーチしたのだと思う。
「”誰もが”目的感を人生の中で持てる世界を創り出すこと」
Facebookが目指しているのは、これだね。それを伝えたくて、同世代の人間に語りかけたのだろう。ボクの世代の心にだって響く、本当に素敵なスピーチだった。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。