インプット、インプット、インプット!
アウトプットのために必要なのは、大量のインプット。そう確信している。ベストセラー作家の百田尚樹さんが言っていたのは、100インプットしても出せるのはようやく3くらいとのこと。だから必然的にインプットが優先する。
数々のベストセラーを書いているスティーブン・キングも、『書くことについて』というエッセイでこう言っている。
『作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ。私の知るかぎり、そのかわりになるものはないし、近道もない』
単純ですぐに行動に移すボクは、ここ数年はそのことを実践している。そしてその効果を実感している。
それでもまだまだインプットもアウトプットも、絶対量が足りていないように感じる。そこで最近は明確に決めていることがある。インプットの主なものは、本と映画。これらについて、最低限の基準を決めている。
本も映画も、最低でも2日に1作をインプットする、ということ。
つまり最低でも1年で、本と映画をそれぞれ183作はインプットする。最低限だから1日に1冊、あるいは映画でも1日に1作のペースで消化できる日があるだろう。そのあたりを考慮して年間で、本と映画を200作品ずつインプットする。そう決めている。
今年に入ってからは、ほぼそのペースを維持している。アウトプットも必要なので、インプットに割ける時間も限られてくる。ブログや仕事にも時間を消費するから、これでもかなりいっぱいいっぱい。
読書は就寝前の時間しかとれない。だから新しい本を開いたらページ数に関わらず、最低でも半分を読み終えるまで眠らない。それさえ守っていれば、必ず2日に1冊を読破できる。
映画に関しては2日に1度の引きこもりの日に、午後の時間を使って最低でも1作を観るようにしている。たまには映画館に行くだろうし、妻が観る映画と重なれば、夜のテレビの時間にも観ることができる。そのあたりを計算に入れておけば、最低でも2日に1作は消化できる。
本に関しては読みたい本が山積みなので、困ることがない。ジャンルを問わず、ひたすら活字を追いかけている。最近はどれだけ眠くても、読書を続ける技を身につけた。集中力を落とさずに持続する独自の方法がある。機会あればブログで紹介しよう。10分くらいの仮眠も効果的。
でも映画に関してはそのペースで観ようと思うと、費用的な面も考えてテレビでの放送に頼ることになる。そうなると好みを言っている余裕がない。とりあえず少しでも興味のある映画を見つけると、積極的に観るようにしている。
昨日もそうして、まったく初見の映画を観た。最初は当惑したが、これが案外に面白い作品だった。
『ミニー&モスコウィッツ』という 1971年のアメリカ映画。
ミニーを演じているジーナ・ローランズという女優さんも、モスコウィッツを演じているシーモア・カッセルという俳優さんも知らない。写真のふたりだけれど、なかなか魅力的な主人公だった。
だけど不思議な映画。どう言ったらいいんだろう?
人間のネガティブな部分があらわになっている。このふたりに絡んでくる人たちが、どこかを病んでいるようにしか見えない。人生でのストレスに押しつぶされて、やけくそになっているような人間ばかり。
その独特の演出に興味を惹かれ、画面に釘付けになってしまった。登場人物のイライラが、観ているボクに伝わり、心のなかの同じものを刺激する。居心地が悪くて、落ち着かなくなってくる。
そんなイラつく人間に関わってきたふたりが偶然に出会い、互いに惹かれていく。だけどミニーは自分と人生に絶望していて、調子のいいモスコウィッツについていけない。対人恐怖症気味で、夜でもサングラスをかけないと他人と会話できないという女性。
モスコウィッツも根は優しい男だけれど、やたらとトラブルに巻き込まれる。心のなかに失望と劣等感を抱えていて、目先の快楽でそんな自分をごまかそうとしている。とにかくやたら複雑な人間。
このふたりが出会って4日で結婚を決意して、実際に結婚するまでの物語。そのわずか4日間で、ふたりは自分たちのこれまでの人生を変えようと決意する。
ドキドキしてふたりを見ながら、心のどこかで応援してしまう不思議な映画だった。そうでないと、共鳴した自分のネガティブな部分が救われないような気がする。こんな屈折したハッピーエンドもあるんだね。
手当たり次第に映画を観ていると、この作品のような出会いがある。人生で観られる映画の本数は限られているから、1本でも多く体験したと思う。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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