SOLA TODAY Vol.740
同じ東アジアの国でありながら、日本と中国の民族性は大きくちがう。当然といえばそうなんだけれど、あらためてそのちがいを見ていると本当に面白い。
そんな日本人と中国人とのちがいについて書かれた、とてもわかりやすい記事がある。
パクるという言葉は乱暴だけれど、現代の中国は模倣主義だと言っていいくらい。上海にディズニーランドができるまでには、そっくりな遊園地があった。日本の有名飲食店の名前や看板を模倣して、国際的なトラブルになることもよくある。
一方日本は、どちらかと言えば真似を恥じる文化がある。二匹目のドジョウなんて言葉が、模倣を揶揄する言葉として使われている。ある意味オリジナリティに関して厳格な民族なんだろう。
この記事では、そのあたりがうまくまとめられている。『本物』というものに対する概念として、両国の比較に思わずうなずいた。
・日本人の『本物』:アイデアを考えた人。最初にはじめた人。
・中国人の『本物』:市場で勝った人。はじめた順番は関係ない。
これを見るだけで、なぜ中国でパクリが起きるのかよくわかる。日本人にとって本物は、あくまでもアイデアを最初に具現化した人のこと。それ以外はすべて偽物になる。これは日本人として、ボクもよくわかる。
だけど中国人にとっての本物は、それが市場で受け入れられているかどうかだとのこと。だからAppleのiPhoneとそっくりの商品を作って売ることに罪悪感を持たない。むしろ優れた商品に対するリスペクトの想いがそこにある。
二番手だからといって、本物になれないわけじゃない。市場でパイオニアを凌駕する結果を出せば、自分こそが『本物』であると宣言できる。中国人の感覚だと、そういうことになるらしい。だから模倣することは、決して恥ではない。
これはどちらかが良いとか悪いとかの話じゃないと思う。日本人の感覚はよくわかるし、中国人の発想もボクは嫌いじゃない。日本だってある商品やシステムがヒットすれば、同じようなものが追随している。
なかなか面白いよね。ただこの記事にも書かれているけれど、模倣がメインとなっている中国では創造的な分野の発展が鈍いとのこと。クリエイターが尊重されないので、若い芽が育ちにくいのだろう。ゼロから何かを作るクリエイターとしては、日本のほうがやりやすいのかもしれないね。
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