SOLA TODAY Vol.852
ボクが買い物で苦手だと感じるのは、店員さんとの会話。基本的に見知らぬ他人と会話したくない人間なので、店員さんと会話するほどしんどいことはない。
だけど持ち前のプリテンダー精神が発露するので、いかにも会話を楽しんでいるように装ってしまう。それで二重に疲れることになるので、アウトレットモール等で真剣に買い物を考えているときは、あえて人が多い土日を選ぶ。そうすれば他の客にかまってくれるので、比較的放置されやすいからねw
ボクが子供のときは、対面販売の市場が普通だった。だから母親に買い物を頼まれると、否応なしにダミ声の八百屋さんと会話しなくてはいけない。もうそれが苦痛で、苦痛で。市場へ行く途中で何度も会話のシミュレーションをしてから向かったほど。
だけどスーパーというものができて、ボクは救われた思いだった。だって商品を黙ってカゴに入れて、あとはまとめて支払いをするだけ。特に会話は必要ない。
それでも最近ではレジでの会話が増えてきた。ポイントカードの有無、現金かカードの支払いか、レジ袋が必要かどうかを尋ねられることが多い。ボクみたいなコミュ障気味の人間にとって、そんな会話でさえ苦痛になる。できれば一言も話したくない。
ところがセルフレジなるものが一般化してきた。さらに無人のコンビニ等も少しずつ増えつつある。ワァオ、なんていい時代になってきたんだ、とボクのような人間は思うけれど、一般的にはそうでない人が増えているらしい。
Amazonに対するリアル店舗の強みは『接客』しかない。人間は「感情」を求める生き物なのだから。
セルフレジ等に拒絶反応を示すのは高齢者の人たち。普段使っているスーパーにセルフレジが導入されただけで、その店に通うのをやめる人もいるらしい。機械の操作が苦手ということもあるだろうけれど、その人たちが望んでいるのは店員さんとのコミュニケーションらしい。
高齢化社会になって、一人暮らしの老人が増えている。自宅で会話するのがペットだったりテレビだったりする人は、せめて買い物のときくらいに他人と話したいのだろう。だからセルフレジのようなシステムに拒否反応が出るとのこと。
この記事の主旨はタイトルを見ればわかる。Amazonのような企業に対抗するためには、『接客』しかないとうこと。高齢者の人たちは、たとえ値段が高くても接客してもらえる店舗を選ぶ人が多いそう。古くからある街の電気屋さんが完全淘汰されないのは、そういう需要があるからだろうね。
この記事を何度も読んだけれど、やっぱりボクは賛同できない。これは時代の流れであって、従来型の店舗は特殊な業界を除いていずれ淘汰されていくと思う。わざわざ会話をしてネットショップより高い商品を買うなんて考えらない。赤の他人と会話せずにすむなら、これほど便利で楽なこととはないのになぁ。
もしボクがいつか独居老人になったら、同じように思うのだろうか? せめてスーパーでは、誰かと会話したいと思うのかな?
いまのところ、そんなボクの未来がイメージできない。散髪に行っても3回くらいしか口を開かないボクには、まだまだ理解できない世界だよなぁ。
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