Facebookが強気な理由
これからの時代、企業も個人も、生活の基盤における危機回避能力が問われると思う。投資活動におけるリスクヘッジと同じく、収入源を分散させることが必須の時代になってきたのだろう。
そのお手本がFacebook。昨日、かなり驚く記事を読んだ。
「客はすぐに戻ってくるさ!」勢いを増す広告ボイコットに、ザッカーバーグ氏が「一歩も引かない」
ここのところFacebookが強烈なバッシングを受けている。欧米では人種差別問題が人々の関心を集め、あちこちで大規模なデモが行われてきた。そんな状況において、差別的な内容を含む記事の削除を求めてもFacebookは放置してきた。
そのことに激怒した大手のスポンサーは、次々とFacebookから広告を引き上げた。コカコーラやスターバックスなど、誰もが知っている企業が怒りの声を上げている。Facebookの株価は下落して、なんと時価総額で560億ドル(約6兆円)が吹き飛び、CEOであるマーク・ザッカーバーグの純資産が70億ドル(約7500億円)ほど目減りしたとのこと。
それでもザッカーバーグは強気。「広告主はすぐにFacebookに戻ってくる」とバッシングにたいして一歩も引かない発言をしている。その理由を知って、ボクは思わず唸ってしまった。
ザッカーバーグは社員向けのメッセージでこう述べている。
_We’re not going to change our policies because of a threat to a small percent of our revenue
(我々は、ほんの一部の収益が脅かされるという理由でポリシーを変えたりしない)__
Facebookに広告を出している大手企業の上位25社のなかで、ボイコットに参加しているのはマイクロソフト、スターバックス。ファイザーの3社だけらしい。もし上位企業の100社の全てがボイコットに参加したとしても、年間の広告収入のわずか6%に過ぎないとのこと。これにはマジで驚いた!
つまりFacebookの広告主のほとんどが中小企業であり、大手企業のボイコットなんて痛くも痒くもないということ。そりゃ強気になるよなぁ。
新型コロナウイルスが象徴するように、いまの時代何が起きるかわからない。企業の売上先を一手に絞っていると、想定外のことが起きたときに共倒れになってしまう。だけどFacebookのような分散型の利益構造だと、何かが起きても経営を立て直す時間を稼ぐことができる。
これは個人でも同じだろう。昭和時代の終身雇用や年功序列が崩壊しつつある。大手企業であっても、いつ倒産するかわからない。気がついたら明日からまったく収入の見込みがない、という事態になってしまうかもしれない。それほど時代の流れが激しい。
副業が認知されつつある現代においては、自分なりのリスクヘッジを構築する必要があると思う。なかなかFacebookのようなわけにはいかないだろうけれどね。
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