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高羽そらさんインタビュー

永遠の命を求める人たち

どんな人もいつかは死ぬ。長くても100年余りが限界だろう。平均的には100歳になることなくこの世を去る。それは名もない一般人でも、世界的な著名人でも同じ。それゆえできる限り長生きしたいと思うもの。

 

ところが長生きだけでは満足できず。永遠の命を求める人がいる。ボクが過去に書いた『エリクサー』という小説も、永遠の命を求める闇の組織を描いた作品。

 

ただし問題となるのは『永遠の命』の定義。物理的に考えて、肉体を永遠に使用することは不可能。だとすると『永遠の命』とはどのような状態なのか?

 

それは自分という『自我』の存続だろう。『エリクサー』たちは他人の肉体に自我を移植することで、永遠の命を手に入れようとした。そしてそれと同じようなことを現実に考えている人たちがいる。

 

電脳化することで「デジタル上で人間は生き続けられる」と主張するマインドエミュレーション財団が登場

 

なんと永遠の命を目指す財団が設立され、実現のための資金を募っているらしい。その財団はこう述べている。

 

「人間の肉体は死んでしまうが、心をデジタルでエミュレートすれば人は生き続けられる」

 

ボクの小説のように人間に『自我』を移植するのではなく、『自我』をデジタル化して保存しようというもの。かなりSF的な発想だけれど、まったく荒唐無稽なものでもないらしい。

 

人間の脳のシナプスは約100兆ほどあるそう。そのシナプスをすべてマッピングしてデジタル化することで人間の心を移植できる、と財団は考えている。そしてシナプスのマッピングは、科学者たちによって日々増加しているとのこと。

 

1986年には1万近く。そして2010年には1000万を超えるシナプスがマッピングされている。この財団によると、2084年には100兆のマッピングに成功するだろうと予測している。そこでそれらをデジタ化してコピーするための資金を集めているそう。

 

でもボクはきっと無理だろうと思っている。人間の『自我」を構成しているのは脳だけじゃないと思う。手足や髪の毛まで含んだ、すべての細胞が自意識に関与していると感じている。細胞は常に新陳代謝しているけれども、それらを総合したものが『自我』だと思う。

 

だから肉体の死を避けることができない限り、永遠の命を手にすることは無理だろう。つまり『自我』というのは物理法則や時間に縛り付けられた、ある種の『幻想』だと考えている。それゆえ物理次元から離脱すること、すなわち『死』によってようやく真の自分を知ることができる。

 

幻想でしかない『自我』を存続させても、それは永遠に続く『夢』見ているだけ。永遠の命を求めるという意識そのものが、すでに物理次元への囚われを証明している。

 

『自我』というのは肉体とともに滅ぶ幻想。そのことに気づくために『死』が存在している。だから永遠の命を求めることは、むしろ自分を永遠から遠ざけていることになる。まぁ、きっとこんな怪しい財団にお金は集まらないと思うけれどね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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