混迷はTwitter社だけじゃない
イーロン・マスクがTwitter社を買収したことで、なかなか興味深いことが起きている。まさに混迷、混沌といった状態で、全社員の半数近くが解雇されている。
そのアタフタした状況をじっくり観察していると、単なる買収騒ぎで終わらない予感がする。イーロン・マスクによって、これまで隠されていたIT企業の闇が暴かれ、膿み出しが行われているから。
イーロン・マスクのTwitter大ナタで思わず表に出たキラキラIT系外資の「裏側」とは
リンク先は買収のその後がうまくまとめられた記事。世界全体で3800人が解雇通知を受けたとのことで、日本のTwitter社でも270人いた社員のうち200人に解雇通知が出たと報道されている。その後にイーロン・マスクが解雇通知を撤回して、再就職を促した人物はいるとのことだけれど。とにかく混乱しているのは事実。
日本で解雇対象となったのは、広報部門が中心になっていたキュレーションチームらしい。彼らが解雇されたことで、Twitterのタイムラインが大きく変化している。どうやらこれまで意図的な情報操作が行われていたようで、買収以前は朝日新聞や系列のハフポストの記事が優先的に案内されていた。
ところが買収後はそうしたツイートが激減。その明らかな変化は多くのユーザーが報告している。以前に比べて鼻につく政治的ツイートが減ったというもの。さらにTwitterでのバズリを操作していた可能性も指摘されている。
シャドウバンと言って拡散されたり検索に引っかからない仕様を悪用することで、日本の世論を操作しようとしていたことが疑われている。買収後にそうした理不尽な対応を受けていた人のアカウントが復活したりしている。イーロン・マスクも日本のTwitter社でシャドウバンが悪用されていたことを認識しているそう。
そもそも買収前は赤字体質だった Twitter社。このままでは倒産する、とイーロン・マスクは社員に警告している。ろくに仕事もしないで遊んでいたような人間を多く抱えていたらしく、買収によってそうした無駄な人材が淘汰されたということだろう。
ただ新しい体制も混迷中で、この先どうなっていくか不透明。目立つのは青色の認証バッジの有料化。元々は成りすまし防止のためだった認証バッジ。それを誰でも有料で装備できるようにした。とたんに成りすましが横行して、昨日になって慌てて有料での装備を中断している。しばらくはこんな混乱が続きそうだけれど、 Twitter社にとってはイーロン・マスクの買収は前向きに捉えていいと思う。
おそらくこれからは他の企業でも同じようなことが起きるはず。Facebookを運営するメタは1万人以上の解雇をすでに発表している。Amazonも収益構造の見直しが行われていて、不採算であるAIのAlexを切り捨てる意向を打ち出している。
Twitter社で起きた混迷は、他社に飛び火する可能性が高い。そしてその火が世界中に拡散していく可能性もある。日本のEC企業や通販会社は、そうした動向に柔軟な対応をしていかないと、あっという間に淘汰されてしまうかもしれない。 Twitter社の混迷はそうした未来を象徴しているように思う。
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