性格の一致は脳波の一致
離婚理由の代表選手は「性格の不一致」かな? まぁ実際には他の面倒な理由が山ほどあるんだろうけれど、他人に説明するには便利な言葉。それはある意味において、真理をついているからだと思う。逆に言えば「性格の一致」は、夫婦や恋人関係を継続していくために必要不可欠なものかもしれない。
そんな「性格の一致」が、交際する前にわかるようになるとしたら?
リンク先の記事は、アメリカのコロンビア大学の研究を紹介したもの。性格と脳波の相関関係を調べたもので、人間の性格と脳活動のパターンに正の関係があるという結果が出た。そして同じ性格の人は、同じ脳波パターンを示していることも明らかになっている。研究の詳細は記事にゆずるとして、その結果だけを抜き出してみる。
『結果、性格が似たひとたちは同じ静止画や動画をみたときに、同じような脳活動パターンをとることが判明。特に、想像力(開放性)、生産性(良心性)、エネルギー(外向性)、抑うつ(神経症)などの性格特性は、脳活動パターンの一致と強く関連し有意な数値を記録しました。
またこの効果は極めて強固であり、脳活動パターンは性別の一致や民族性の一致、政治的信念の一致よりも、性格の一致と強く結びついていることが発見されました』
性格の定義は難しい。この研究では想像力、生産性、エネルギー、抑うつ等に着目している。大まかに考えても、そうした要素を示す脳波パターンは、同じ性格の人で一致するという結果だった。信条や信念に影響されないというところが興味深い。
その一方で美的感覚に関しては負の相関関係があったそう。同じ脳波活動をする人が、同じ美的感覚を有しているわけではない。おそらく美意識というのは後天的なものなんだと思う。
こうしたデータが多く集められ、それらの相関関係が明確になってくれば、婚活におけるマッチングアプリに応用できるとのこと。つまり性格が一致する人だけを集めた婚活パーティーを開くことができる。実際にどんな集まりになるのか、個人的には興味がある。
ただボクは思う。「性格の不一致」で使われている「性格」という言葉の定義は、もっと広くて深いはず。脳波活動の一致だけでは語れないと思う。
まず人間関係というのは性格だけでなく、価値観から受ける影響を見逃せない。わかりやすい例で言えば、動物の命に対する価値観。ボクは平気でゴキブリを叩き殺せる人や、釣りをする人や、最悪な場合は猟銃で動物を撃つ人と価値観を共有できない。
その人たちの行為を否定しているわけではなく、共感できないということ。もし性格が一致しても、そのことに関して共感できないと一緒に暮らすのは無理。その価値観の違いは、いつしか関係を破綻させる要因になると思う。
さらに「性格の一致」がいいとは限らない。同じ性格だからこそ、合わないということもあると思う。自分と違う面があるからこそ、相手との関係をポジティブに高めていける。相手のことを受け入れたり、自分のことを理解してもらう行動によって、前向きな関係というのは築かれていくものだと思うから。
だとしても、同じ性格の人が集合したパーティーがどんな雰囲気なのか気になるなぁ。
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