ガストンとの対話 Vol.6
ガストン、今日は願望実現についてお尋ねします。願望実現は「私」という「自我」を肥大化させると私は考えています。一方、人生を生きていくうえで目標を設定して、その目標に向かって挑戦することは何よりも大切だと考えています。この二つを矛盾させずに統合した視点を持つことは可能でしょうか?
「おぉ、お前さんは「質問」の基本をよく理解したようじゃな。知りたいことを曖昧に問うのではなく、具体的にあぶり出すことが大切だ。どうだ? わしに聞くまでもなく、その問いかけを自分の心に向けたら同時に答えを得たであろう?」
はい、おっしゃる通りです。でもそれではブログを書いている意味がありませんから、この場で対話したいと思ったのです。
「いいだろう、わしの考えを話してやろう。まず大切なのは「自我」を悪役にしないことだ。この現実世界で生きていくために、自分というアイデンティティを証明してくれる「自我」は必要だ。死が「自我」を解き放つまで、人間は「自我」と共に歩まなければならない。わかるな?」
そうですね。「自我」を大切にしつつ、それを本当の自分だと信じ込まないようにすることですね?
「それでいい。では本題に入ろう。願望を持ちなさい。そしてそれに向かって全力で日々を過ごすべきだ。そこで注意するべきことは、その願望がどこからやってきたかということだ」
どこから? つまり願望が何にもとづいて自分に意識されたかということですね。
「お前さんが最初に言った「自我」肥大化させる願望は、今の自分を否定することから始まっている。「こうあるべきでない」ものを「こうあるべき」ものにさせようとする行為だ。それは葛藤を生み、苦悩を呼び込むことになる。たまたま願望が実現したとしても、「こうあるべきでない」と否定したものが、すぐに頭をもたげてくるのだ」
そうか、それは記憶という過去の自分を否定しながら、理想の自分を願い続けることですね。つまり意識が過去、あるいはその過去を投影した未来に囚われている状態か。つまり過去や未来は「自我」の活動の場ですから、その願望は「自我」を肥大化させることになるのですね。
「そう。例えば他人を妬まない人間になりたいと望んだとしよう。「こうあるべきでない」と思う状態だな。そしていきなり「こうあるべき」という世界を実現しようとする。自分の妬む人間が存在しないという世界だ。そんな願望は実現しても一時的だ。他人は自分の思うようにふるまってくれない。自分が妬み深い性格だと知ることを怖れ、そこから逃避しようとしている願望に過ぎない。さぁ、もうわかったであろう。どのような願望を持つべきか」
はい、私が得た答えと同じです。大切なのは、まず「今、ここ」のあるがままの自分を知ることですね。自分が妬むこと、怒ること、落ち込むこと等を、比較や判断をしないでありのままに知ることですね。そこから自分の願望をスタートさせればいいのか!
「ありのままの自分を否定している限り、どのような願望を持っても無意味だ。しかし人間には願望が必要だ。人生を前に進める原動力となる。ありのままの自分を見つめて、そこから常に「今、ここ」で全力を尽くすことだ。それが本当の願望実現だよ」
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